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豕
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ゐのこ
ふりがな文庫
“
豕
(
ゐのこ
)” の例文
食後の半時間——この半時間の無駄話は、そんぢよそこらの日本の紳士を
豕
(
ゐのこ
)
のやうな馬鹿者にしてくれた。何といふ有難い事だ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そのさま
恰
(
あたか
)
も未だ巨人島にわたらぬガリワルの如く、また未だガリワルを見ざる「リリピユウシヤン」の如く、
豕
(
ゐのこ
)
を抱いて臭きことを忘れ、古井の底に
栖
(
す
)
みて天を
窺
(
うかゞ
)
ふ。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
灰色の
巨人
(
おほびと
)
が榛の間に
豕
(
ゐのこ
)
を駆つて行くかと思ひますと、大ぜいの
矮人
(
こびと
)
が紅い帽子をかぶつて、小さな白い牝牛を、其前に逐つて参ります。私は灰色の人ほど、矮人を怖くは思ひませぬ。
春の心臓
(新字旧仮名)
/
ウィリアム・バトラー・イエイツ
(著)
久しく我等を賤みたり、我等に捧ぐべき筈の定めの
牲
(
にへ
)
を忘れたり、這ふ代りとして立つて行く狗、
驕奢
(
おごり
)
の
塒
(
ねぐら
)
巣作れる
禽
(
とり
)
、
尻尾
(
しりを
)
なき猿、物言ふ蛇、露
誠実
(
まこと
)
なき狐の子、
汚穢
(
けがれ
)
を知らざる
豕
(
ゐのこ
)
の
女
(
め
)
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
色黒く
眉
(
まゆ
)
薄く、鼻は
恰
(
あたか
)
もあるが如く、
唇
(
くちびる
)
厚く、
眦
(
まなじり
)
垂れ、
頬
(
ほゝ
)
ふくらみ、
面
(
おもて
)
に無数の
痘痕
(
とうこん
)
あるもの、
豕
(
ゐのこ
)
の如く
肥
(
こ
)
えたるが、女装して絹地に立たば、
誰
(
たれ
)
かこれを見て節婦とし、烈女とし、賢女とし
醜婦を呵す
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
(ホメロスの詩に徴するに、トロヤの戰果てゝ後、
希臘
(
ギリシア
)
イタカ王オヂツセウスこの島に漂流せしに、妖婦キルケ舟中の一行を變じて
豕
(
ゐのこ
)
となす、オヂツセウス神傳の藥草にて其妖術を破りぬといふ。)
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
はた、わが肉より
穰
(
はら
)
ひ給ひし
豕
(
ゐのこ
)
を見いづ。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
逍遙子が沒却理想の分際よりわれを見ば、まことに未だ河東の地を
蹈
(
ふ
)
まずして白頭の
豕
(
ゐのこ
)
をことなりとする人に似たらむ、また未だジユリエツトに
逢
(
あ
)
はずして、ロザリンを慕へるロメオに似たらむ。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
はた、わが肉より
禳
(
はら
)
ひ給ひし
豕
(
ゐのこ
)
を見いづ。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
豕
(
ゐのこ
)
、
狗兒
(
いぬころ
)
、野の狐
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
豕
漢検1級
部首:⾗
7画
“豕”を含む語句
遼豕
妖豕
封豕
封豕長蛇
牝豕
犬豕
田豕
豕々
豕児
豕甘
豕脂
豕蛇
豕韋