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雛妓
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おしやく
ふりがな文庫
“
雛妓
(
おしやく
)” の例文
雛妓
(
おしやく
)
達が若い張りのある聲で『いつちく、たつちく太右衞門どん——』を繰り返しました。鬼にされたのは白旗直八。
銭形平次捕物控:054 麝香の匂ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
新橋の
老妓
(
らうぎ
)
桃太郎がその
往時
(
むかし
)
、
雛妓
(
おしやく
)
として初めて座敷へ突き出された時、所謂
姐
(
ねえ
)
さんなる者から、仮にも
妓
(
をんな
)
の忘るまじき三箇条の心得を説き聞かされた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
もう羽織も欲しい季節だといふのに浴衣の重ね着をして控えてゐた傍らの
雛妓
(
おしやく
)
を見たので、慌ててその子に渡すと、その
養母
(
はゝ
)
と二人が非常に丁寧に頭をさげて
熱海線私語
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
帶廣
(
おびひろ
)
は十勝の頭腦、
河西
(
かさい
)
支廳の處在地、大きな野の中の町である。
利別
(
としべつ
)
から藝者
雛妓
(
おしやく
)
が八人乘つた。今日
網走
(
あばしり
)
線の鐵道が
※別
(
りくんべつ
)
まで開通した其開通式に赴くのである。
熊の足跡
(旧字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
子は母が胸の上で指差してゐる踊子に見当をつけてよく見ると、最後から二番目のまだ小さい杓子顔の
雛妓
(
おしやく
)
であつた。子はその顔から何処か良い所を捜さうとつとめてみた。
父
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
▼ もっと見る
白粉
(
おしろい
)
に汚れた赤い襟の
平常着
(
ふだんぎ
)
の
雛妓
(
おしやく
)
のやうな姿をしたお光を連れて、
愛宕神社
(
あたごじんしや
)
へ行つた時、
内部
(
なか
)
の
空洞
(
うつろ
)
になつてゐる
大銀杏
(
おほいてふ
)
に蜂が巣を作つてゐるのを見付けて、
二人
(
ふたり
)
相談の上
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
が、
太鼓腹
(
たいこばら
)
を
突出
(
つきだ
)
して、でれりとして、
團扇
(
うちは
)
で
雛妓
(
おしやく
)
に
煽
(
あふ
)
がせて
居
(
ゐ
)
るやうなのではない。
片膚脱
(
かたはだぬ
)
ぎで
日置流
(
へぎりう
)
の
弓
(
ゆみ
)
を
引
(
ひ
)
く。
獅子寺
(
ししでら
)
の
大弓場
(
だいきうば
)
で
先生
(
せんせい
)
と
懇意
(
こんい
)
だから、
從
(
したが
)
つて
弟子
(
でし
)
たちに
帳面
(
ちやうめん
)
が
利
(
き
)
いた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雛妓
(
おしやく
)
や、若い藝妓達——力に
逆
(
さか
)
らはないやうに慣らされて居る女達——は、斯う艶めかしい合唱を響かせました。
銭形平次捕物控:054 麝香の匂ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは幼い
雛妓
(
おしやく
)
を
招
(
よ
)
んで遊ぶ事で、枯れかけた松の
周囲
(
ぐるり
)
に、小松を植ゑると、枯松までが急に若返へるやうに、訥子はかうして
妓
(
をんな
)
の若さを自分の
有
(
もの
)
にしてゐる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
彼が或る女と家を逃げ出したこと、
雛妓
(
おしやく
)
に惚れて親爺から勘当されたこと、などを妻は知つてゐた。
明るく・暗く
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
お君ちやんと呼ばれた娘の方を兵野が眺めると、丈のすらりとした細おもての、髪を桃割れに結つた、一見、場末の
雛妓
(
おしやく
)
風に装つた小娘が、おでんの鍋の傍らで燗番役をつとめてゐた。
露路の友
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
雛妓
(
おしやく
)
達も藝妓も皆な並べて
銭形平次捕物控:054 麝香の匂ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
雛妓
(
おしやく
)
のやうな恰好をしたりして役者などの噂ばかりしてゐる彼女に私は反感を覚えて、凡そ客観的にさへ魅力などを覚えた験しもなかつたのだが、今の輝子の様子は如何にも颯爽とした女学生風で
奇友往来:(引越しをする男)
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
“雛妓”の意味
《名詞》
まだ一人前でない芸妓。
(出典:Wiktionary)
雛
漢検準1級
部首:⾫
18画
妓
漢検準1級
部首:⼥
7画
“雛”で始まる語句
雛
雛鳥
雛形
雛罌粟
雛壇
雛鶏
雛様
雛段
雛菊
雛芥子