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妓
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ぎ
ふりがな文庫
“
妓
(
ぎ
)” の例文
時を嫌はず処を択ばず宴会の席にても衆人の中にても人は酒を飲み
妓
(
ぎ
)
をひやかしつつある際にても不折君は独り画を画き画を談ず。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
魚家の
妓
(
ぎ
)
数人が度々ある
旗亭
(
きてい
)
から呼ばれた。客は宰相
令狐綯
(
れいことう
)
の家の公子で
令狐※
(
れいこかく
)
と云う人である。貴公子仲間の
斐誠
(
ひせい
)
がいつも一しょに来る。
魚玄機
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
正月八日書家中沢雪城が枕山毅堂磐渓九皐の四友を招ぎ、
妓
(
ぎ
)
を携え舟行して
向島
(
むこうじま
)
の百花園に梅花を賞した後、今戸の有明楼に登って歓を尽した。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
教坊
(
けうばう
)
十万の
妓
(
ぎ
)
は多しと
雖
(
いへど
)
も、真に娼婦型の女人を求むれば、恐らくは甚だ多からざる
可
(
べ
)
し。天下も
亦
(
また
)
教坊と等しきのみ。
娼婦美と冒険
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
三人
(
さんにん
)
此
(
こ
)
の
処
(
ところ
)
に、
割籠
(
わりご
)
を
開
(
ひら
)
きて、
且
(
か
)
つ
飲
(
の
)
み
且
(
か
)
つ
大
(
おほい
)
に
食
(
くら
)
ふ。
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
も
無
(
な
)
げなる
事
(
こと
)
、
恰
(
あだか
)
も
妓
(
ぎ
)
を
傍
(
かたはら
)
にしたるが
如
(
ごと
)
し。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
花柳
(
かりゅう
)
の間に
奔々
(
ほんぽん
)
して
青楼
(
せいろう
)
の酒に酔い、別荘
妾宅
(
しょうたく
)
の会宴に
出入
(
でいり
)
の芸妓を召すが如きは通常の人事にして、甚だしきは大切なる用談も、酒を飲み
妓
(
ぎ
)
に戯るるの
傍
(
かたわ
)
らにあらざれば
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
古縄
(
ふるなは
)
を
蛇
(
へび
)
とし
駭
(
おど
)
せば、おどされたる
妓
(
ぎ
)
愕
(
びつくり
)
して
片足
(
かたあし
)
泥田
(
どろた
)
へふみいれしを
衆人
(
みな/\
)
辴然
(
おほわらひ
)
す。此
途
(
みち
)
は
凡
(
すべ
)
て
農業
(
のうげふ
)
の
通路
(
つうろ
)
なれば
憇
(
いこ
)
ふべき
茶店
(
ちやみせ
)
もなく、
半途
(
はんと
)
に
至
(
いた
)
りて古き
社
(
やしろ
)
に入りてやすらふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
妓
(
ぎ
)
の名を聞ける宮の
如何
(
いか
)
に言ふらん、と唯継は
陰
(
ひそか
)
に楽み待つなる
流眄
(
ながしめ
)
を彼の
面
(
おもて
)
に送れるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
関守氏は、
強
(
し
)
いて走井の泉を見なければならぬ使命というほどのものを感じていない、盛名の
妓
(
ぎ
)
がいつかは知らずしかるべき旦那に身受けをされて、囲われたような気分がして
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
五ツの座敷ブチ抜きたる
大筵席
(
だいえんせき
)
は既に入り乱れて
盃盤
(
はいばん
)
狼藉
(
らうぜき
)
、歌ふもあれば
跳
(
は
)
ねるもあり、腕を
撫
(
ぶ
)
して高論するもの、
妓
(
ぎ
)
を擁して
喃語
(
なんご
)
するもの、
彼方
(
かなた
)
に調子外れの
浄瑠璃
(
じやうるり
)
に合はして
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ただ私はなんらなすなき
遊冶
(
ゆうや
)
郎輩
(
ろうはい
)
が、惜しくもない時間をつぶすがために、
妓
(
ぎ
)
を擁して自動車を走らせ、みだりに散歩の詩人を驚かすがごときをもって、真に無用のぜいたくとなすのである。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
それは
直
(
ただち
)
に、日本橋の
妓
(
ぎ
)
を正妻にしたからかも知れない。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
この『矢筈草』目にせば遂にはまことに
憤
(
いきどお
)
りたまふべし。『矢筈草』とは
過
(
すぎ
)
つる年わが
大久保
(
おおくぼ
)
の
家
(
いえ
)
にありける
八重
(
やえ
)
といふ
妓
(
ぎ
)
の事を
記
(
しる
)
すものなれば。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
古縄
(
ふるなは
)
を
蛇
(
へび
)
とし
駭
(
おど
)
せば、おどされたる
妓
(
ぎ
)
愕
(
びつくり
)
して
片足
(
かたあし
)
泥田
(
どろた
)
へふみいれしを
衆人
(
みな/\
)
辴然
(
おほわらひ
)
す。此
途
(
みち
)
は
凡
(
すべ
)
て
農業
(
のうげふ
)
の
通路
(
つうろ
)
なれば
憇
(
いこ
)
ふべき
茶店
(
ちやみせ
)
もなく、
半途
(
はんと
)
に
至
(
いた
)
りて古き
社
(
やしろ
)
に入りてやすらふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
かの人々の弐千余円を失ひて
馳違
(
はせちが
)
ふ中を、梅提げて通るは
誰
(
た
)
が子、猟銃
担
(
かた
)
げ行くは誰が子、
妓
(
ぎ
)
と車を
同
(
おなじ
)
うするは誰が子、
啣楊枝
(
くはへようじ
)
して好き
衣
(
きぬ
)
着たるは誰が子、
或
(
あるひ
)
は二頭
立
(
だち
)
の馬車を
駆
(
か
)
る者
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
然
(
しか
)
れども
後
(
のち
)
遂
(
つひ
)
に
其
(
そ
)
の
妓
(
ぎ
)
、
緑珠
(
ろくじゆ
)
が
事
(
こと
)
によりて、
中書令
(
ちうしよれい
)
孫秀
(
そんしう
)
がために
害
(
がい
)
せらる。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
の如き
艶体
(
えんたい
)
の詩を
誦
(
しょう
)
し得るなり。またかつて中国に遊び給ひける時
姑蘇
(
こそ
)
城外を過ぎて
妓
(
ぎ
)
に贈り給ひし作多きが
中
(
なか
)
に
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
此
妓
(
ぎ
)
どもを
養
(
やしな
)
ふ
主人
(
あるじ
)
もこゝに
来
(
きた
)
り
居
(
ゐ
)
て、
従
(
したがへた
)
る料理人に
具
(
ぐ
)
したる
魚菜
(
ぎよさい
)
を
調味
(
ていみ
)
させてさらに
宴
(
えん
)
を
開
(
ひら
)
く。
是主人
(
このあるじ
)
俗中
(
ぞくちゆう
)
に
雅
(
が
)
を
挾
(
さしはさん
)
で
恒
(
つね
)
に
文人
(
ぶんじん
)
を
推慕
(
したふ
)
ゆゑに、
是
(
この
)
日もこゝに
来
(
きた
)
りて
余
(
よ
)
に
面識
(
めんしき
)
するを
岩居
(
がんきよ
)
に
約
(
やく
)
せしとぞ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
さればこの水上にも
妓
(
ぎ
)
を載せ酒を
酌
(
く
)
むの屋形船なく、花を
外
(
よそ
)
なる釣舟と
筏
(
いかだ
)
と
鴎
(
かもめ
)
とを浮ばしむるのみ。この傾向は吉原を描きし図において殊に顕著なるを覚ゆ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
此
妓
(
ぎ
)
どもを
養
(
やしな
)
ふ
主人
(
あるじ
)
もこゝに
来
(
きた
)
り
居
(
ゐ
)
て、
従
(
したがへた
)
る料理人に
具
(
ぐ
)
したる
魚菜
(
ぎよさい
)
を
調味
(
ていみ
)
させてさらに
宴
(
えん
)
を
開
(
ひら
)
く。
是主人
(
このあるじ
)
俗中
(
ぞくちゆう
)
に
雅
(
が
)
を
挾
(
さしはさん
)
で
恒
(
つね
)
に
文人
(
ぶんじん
)
を
推慕
(
したふ
)
ゆゑに、
是
(
この
)
日もこゝに
来
(
きた
)
りて
余
(
よ
)
に
面識
(
めんしき
)
するを
岩居
(
がんきよ
)
に
約
(
やく
)
せしとぞ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
年三十にして家に帰るや、
爾来
(
じらい
)
ここに十有余年、追歓索笑虚日あるなし。
妓
(
ぎ
)
を家に
納
(
い
)
るる事数次。自ら旗亭を営むこと両度。細君を追出してまた迎る事前後三人。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
この日残暑の
夕陽
(
せきよう
)
烈しきに山谷の
遠路
(
えんろ
)
をいとはずしてわが母上も席に
連
(
つらな
)
り給ひぬ。母は既に父
在
(
いま
)
せし頃よりわが身の八重といふ
妓
(
ぎ
)
に
狎
(
な
)
れそめける事を知り玉ひき。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
そしてその日の夕刻からは
極
(
ご
)
く親しい友人や門弟が寄集って
主人
(
あるじ
)
柳亭翁が自慢の古書珍本の間に酒を
酌
(
く
)
み
妓
(
ぎ
)
を
聘
(
へい
)
して
俳諧
(
はいかい
)
または
柳風
(
りゅうふう
)
の運座を催すのが例であった。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
確堂らの一行は偶然大槻磐渓、
桂川月池
(
かつらがわげっち
)
、遠田木堂、春木南華らの同じく
妓
(
ぎ
)
を舟に載せて来るに会い、互に
快哉
(
かいさい
)
を呼んで某楼に上り満月の昇るを待って長堤を歩んだ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そもそも三十年前にあつては
応来
(
オーライ
)
芸者と称して通人の
眉
(
まゆ
)
を
顰
(
ひそ
)
めたる新橋の
妓
(
ぎ
)
、今はかへつて御客の
狡猾
(
こうかつ
)
なるに恐れをなすといふに至つては人心の下落
呆
(
あき
)
るるの外はなし。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
わたしはかつて
愛誦
(
あいしょう
)
した『
春濤詩鈔
(
しゅんとうししょう
)
』中の六扇紅窓掩不
レ
開——妙妓懐中取
レ
煖来という絶句を
憶
(
おも
)
い起すと共に
妓
(
ぎ
)
を
擁
(
よう
)
せざるもパンを抱いて歩めばまた寒からずと覚えず笑を
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
また三河屋の娘お福は詩会の散じた折にはしばしば
妓
(
ぎ
)
と共に毅堂の帰を送って竹町の邸に来た。その後三河屋が破産してからお福は零落して三味線堀の小芝居柳盛座の
中売
(
なかうり
)
になっていたそうである。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
妓
(
ぎ
)
の持ちし
扇
(
あふぎ
)
に
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
妓
漢検準1級
部首:⼥
7画
“妓”を含む語句
娼妓
芸妓
雛妓
妓女
芸妓屋
妓樓
妓楼
歌妓
抱妓
藝妓
流行妓
芸妓連
舞妓
老妓
妓夫
妓家
芸妓衆
芸娼妓
妓生
妓衆
...