)” の例文
まちなかで、かごからひばりをして、みんなにせながら、あめをおとこがありました。そのおとこると、あそんでいる子供こどもたちは
ひばりのおじさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
るとぞつとする。こけのある鉛色なまりいろ生物いきもののやうに、まへにそれがうごいてゐる。あゝつてしまひたい。此手このてさはつたところいまはしい。
かつらならではとゆるまでに結做ゆひなしたる圓髷まるまげうるしごときに、珊瑚さんご六分玉ろくぶだま後插あとざしてんじたれば、さら白襟しろえり冷豔れいえんものたとふべきく——
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
居室へやかへつてると、ちやんと整頓かたづいる。とき書物しよもつやら反古ほごやら亂雜らんざつきはまつてたのが、もの各々おの/\ところしづかにぼくまつる。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
よ、愚劣ぐれつな×(2)に対してこぶし子供こどもらを、かほをそむけてのゝしをんなたちを、無言むごんのまゝ反抗はんこう視線しせんれつきつけるをとこたちを!
「ほんとうにかみながくおなりだこと。せめてもう二、三ねん長生ながいきをして、あなたのすっかり大人おとなになったところをたかった。」
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そのはなは、のめずりたおれた老人ろうじん死体したいを、わらつておろしているというかたちで、いささかひとをぞつとさせるような妖気ようきただよわしている。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
ラプンツェルは、まだ一も、おとこというものをたことがなかったので、いま王子おうじはいってたのをると、はじめは大変たいへんおどろきました。
ひるがへつて歐米おうべいれば、さすがに母語ぼごくまでもこれを尊重そんてうし、英米えいべいごときはいたるところに母語ぼごりまはしてゐるのである。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
曇後晴くもりのちはれ午前ごぜん時頃じごろ瓢箪山ひようたんやま到着たうちやくしてると、發掘はつくつすで進行しんかうして赤鉢卷隊あかはちまきたい活動くわつどうしてるが、一かうかはつたことい。
みながそれをると、子安貝こやすがひではなくてつばめ古糞ふるくそでありました。中納言ちゆうなごんはそれきりこしたず、氣病きやみもくははつてんでしまひました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
ひるすこしまえにはもう二人ふたりにいさんが前後ぜんごして威勢いせいよくかえってた。一人ひとりにいさんのほう袖子そでこているのをるとだまっていなかった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
上杉うへすぎ隣家となり何宗なにしうかの御梵刹おんてらさまにて寺内じない廣々ひろ/\もゝさくらいろ/\うゑわたしたれば、此方こなたの二かいよりおろすにくも棚曳たなび天上界てんじやうかい
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しなには與吉よきち惡戯いたづらをしたり、おつぎがいたいといつてゆびくはへてせれば與吉よきち自分じぶんくちあてるのがえるやうである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
子家鴨こあひるはみんながれだって、そらたかくだんだんとのぼってくのを一心いっしんているうち、奇妙きみょう心持こころもちむねがいっぱいになってきました。
またたかさのもつとたかくなるのはすぎで、秋田縣あきたけん長木澤ながきざは杉林すぎばやし甲州こうしゆう身延山みのぶさん千本杉せんぼんすぎなかには、たかさが三十五間さんじゆうごけんもあるのがられます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
不知庵主人フチアンシユジンやくりしつみばつたいする批評ひゝやう仲々なか/\さかんなりとはきゝけるが、病氣びやうき其他そのたことありて今日こんにちまでにたるはわづか四五種しごしゆのみ
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
わたくしじゆく御存知ごぞんちとほ高等女學校卒業以上かうとうぢよがくかうそつげふいじやう程度ていどもの入學にふがくせしめるので、女子ぢよし普通教育ふつうけういくはまづをはつたものとなければなりません。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
彼女かのぢよ小使部屋こづかひべやまへとほりかゝつたときおほきな炭火すみびめうあかえる薄暗うすくらなかから、子供こどもをおぶつた内儀かみさんがあわてゝこゑをかけた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
「ふん、坊主ばうずか」とつてりよしばらかんがへたが、「かくつてるから、こゝへとほせ」とけた。そして女房にようばうおくませた。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
桟橋さんばしると、がらんとした大桟橋だいさんばし上屋うはやしたに、三つ四つ卓子テーブルならべて、税関ぜいくわん役人やくにん蝋燭らふそくひかり手荷物てにもつ検査けんさをしてる。
検疫と荷物検査 (新字旧仮名) / 杉村楚人冠(著)
A 馬鹿ばかつちやいかん。統計とうけい神聖しんせいだ。勝手かつて算出さんしゆつしてたまるもんか。それよりかきみおれ今度こんど年賀状ねんがじやう趣向しゆかうせてやらう。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
ひとひととのあひだすこしでも隙間すきま出来できるとるとあるいてゐるものがすぐ其跡そのあと割込わりこんで河水かはみづながれと、それにうつ灯影ほかげながめるのである。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
鹿しかおほきなをつくつて、ぐるくるぐるくるまはつてゐましたが、よくるとどの鹿しかのまんなかのはうがとられてゐるやうでした。
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
薯蕷じねんじやう九州きうしゆう山奥やまおくいたるまで石版画せきばんゑ赤本あかほんざるのなしとはなうごめかして文学ぶんがく功徳くどく無量広大むりやうくわうだいなるを当世男たうせいをとこほとんど門並かどなみなり。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
所々に出水でみずの土手くずれや化けそうな柳の木、その闇の空に燈明とうみょう一点、堂島開地どうじまかいちやぐらが、せめてこの世らしい一ツのまたたきであった。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここおいせいぐんものをして、(五三)萬弩ばんどみちはさんでふくせしめ、(五四)していはく、『くれがるをともはつせよ』
けれどわたし如何どういふものか、それさはつてすこしもなく、たゞはじ喰出はみだした、一すぢ背負揚しよいあげ、それがわたし不安ふあん中心点ちうしんてんであつた。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
あいちやんは一ぱうした、一ぱううへと一まいごとしらべてから、その眞中まんなかつてました、どうしたらふたゝられるだらうかとあやしみながら。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
どうもあぶないので、おもふやうにうごかせませなんだが、それでもだいぶきずきましたやうで、かゞみませんが、浸染にじんでりますか。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
すぐをつとそばから松葉まつばひろげてあななかをつついた。と、はちはあわててあなからたが、たちま松葉まつばむかつて威嚇的ゐかくてき素振そぶりせた。
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
それも縁なら是非なしと愛にくらんで男の性質もわけぬ長者のえせすい三国一の狼婿おおかみむこ、取って安堵あんどしたと知らぬが仏様に其年そのとしなられし跡は
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なんというよいはなだろう。しろべんがふかぶかとかさなりあい、べんのかげがべつのべんにうつって、ちょっとクリームいろえる。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
ぴらみっとやふるはかからたいろ/\の寶物ほうもついつぱいありまして、いまから四五千年前しごせんねんまへ王樣おうさまのみいらも、そのまゝることが出來できます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
いぬかわをかぶって、おせんのはだかおも存分ぞんぶんうえうつってるなんざ、素人しろうとにゃ、鯱鉾立しゃちほこだちをしても、かんがえられるげいじゃねえッてのよ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
そこへて、くらまぬで、わしするあるかほとローザラインのとをお見比みくらべあったら、白鳥はくてうおもうてござったのがからすのやうにもえうぞ。
これなどは、たかやまうへつめてうたつてゐるので、くちから出放題でほうだいつくつたものでは、けっして、かうはうまくゆきません。つぎのは
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
源水横町の提燈やのまえに焼鳥の露店も見出せなければ、大風呂横町の、宿屋のかどの空にそそり立った梯子ばしごも見出せなくなった。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
また南洲なんしゅう自身についていえば、ようによりては外貌がいぼうおそろしい人のようにも思われ、あるいは子供も馴染なじむような柔和にゅうわな点もあった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
と門之丞、言葉も手つきも、なんだか急に骨董屋こっとうやみたいになって、取扱い注意の態度こなしよろしく、萩乃の前へさげてきたのをると!
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
尖端せんたんうへけてゐるくぎと、へい、さてはまた別室べつしつ、こは露西亞ロシアおいて、たゞ病院びやうゐんと、監獄かんごくとにのみる、はかなき、あはれな、さびしい建物たてもの
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
最後さいごったのはたしか四五月頃しごがつごろでしたか、新橋演舞場しんばしえんぶじょう廊下ろうかたれうしろからぼくぶのでふりかえっててもしばらたれだかわからなかった。
夏目先生と滝田さん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
末男すゑを子供こどもきながら、まちと一しよ銀座ぎんざあかるい飾窓かざりまどまへつて、ほしえる蒼空あをそらに、すきとほるやうにえるやなぎつめた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
それからといふもの、お月様つきさまおこつてれると、にはとりえぬやうにしてしまひました。それで「とりめ」になりました。
ハテ、めうことをんなだとわたくしまゆひそめたが、よくると、老女らうぢよは、何事なにごとにかいたこゝろなやまして樣子やうすなので、わたくしさからはない
ペアレットはストロムボリにてたまたとしようしてゐる。そのおほいさは直徑ちよつけい一米程いちめーとるほどであつてあをひかつたものであつたといふ。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
便所べんじょの二つもあるドアはみなあけはなされ、そのおくでは、いまや一人ひとり使節しせつが、日本流にほんりゅうようをたしているのが、まるえです。
糸目から少し下のところへビードロヨマといって金剛砂こんごうしゃたようなものをつけて置きます。其処へ相手の糸を引っからめて切り飛ばすんです
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
急いで來た處に今樣子を見れば大丈夫だいぢやうぶにてわづらひし樣子は一かうえぬか那の手紙は如何なる譯でありしやと云ければ清兵衞は天窓あたま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
左樣さうか」とつたが、冗談じようだんでもなかつたとえて、べつわらひもしなかつた。細君さいくんきんまるにならない樣子やうす
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)