)” の例文
其の時院のけしきかはらせ給ひ、汝聞け、帝位は人のきはみなり。人道にんだうかみより乱すときは、天のめいに応じ、たみのぞみしたがうて是をつ。
「主よ、主が吾が一家の上に垂れ給うた恵みを感謝いたします。ここにつらなりました家族の中に一にん心に叶はざるものがありますけれど……」
後醍醐もこれのみは、よもやとしておられただけに、南ノ方からつぶさな当夜の惨状をおききとりあるや、さすが御父子である。逆鱗げきりんすさまじいけしきだた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うしとらの方角には池があり、あたり樹林が茂って、寺を建て永く仏に仕えるには、まことに恰好な環境である。近村の人々の協力により間もなくそこへ寺が建った。
老狸伝 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
鼠骨が使をよこしてブリキのカンをくれといふからやつたら、そのカンの中へくじを入れて来た。先づ一本引いて見たらば、第九十七凶といふので、その文句は
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
丹精こめたかひもなく、しろがねの月をつて御足みあしの台とすることがかなひませぬならば、わたくしのはらわたを噛むくちなはかかとの下に置くでござりませう、いとさはに罪を贖ひたまふ、栄光さかえある女王さま
見ればお身はさまを替えて、仏の弟子となったよな。
平家蟹 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
兼好を語るあたひに伽羅たかむ京の法師の麻のころも
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
*スミンチュウスよ、心に叶ひ神殿飾り上げ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
わが手は 緑玉製 Isisイジス膝の上に
四行詩 (新字旧仮名) / 富永太郎(著)
「なにしろ、日本は小さいけれども、挙国一致きょこくいっちですからかないませんやな。どんな百姓でも、無知な人間でも、戦争ッていえば一生懸命ですからな……天子様も国民の後援があって、さぞ心丈夫でいらっしゃるでしょう」
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
ああただめよ、くるすのあいしるしを。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
神さまは、その惠みをもつて
ふしぎな座を示されました
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
導びく神の聲あり。
天地有情 (旧字旧仮名) / 土井晩翠(著)
しばしは君が膝に
信姫 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
「何事か存じませぬが、けしきをそこない、光秀、恐懼きょうく身のおき場もわきまえませぬ。どこが悪いと、お叱りくださいましょう。この場にて、お叱りくださるもいといませぬ」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
本朝に儒教をたふとみてもは王道わうだうたすけとするは、菟道うぢきみ百済くだら七六王仁わにを召して学ばせ給ふをはじめなれば、此の兄弟はらからきみ心ぞ、やが漢土もろこしひじりの御心ともいふべし。
天皇のさきつかへてたづがねののどかにすらん難波津にゆけ
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
捧げますくるすのにや酔ふ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いまはのこと畏みて
天地有情 (旧字旧仮名) / 土井晩翠(著)
堂のうしろの方に、仏法ぶつぱん々々とこゑちかく聞ゆるに、貴人さかづきをあげ給ひて、れいの鳥絶えて鳴かざりしに、今夜こよひ酒宴しゆえん一一八はえあるぞ。紹巴ぜうは一一九いかにとおほせ給ふ。
『なかんずく、この春、諸国のまき馬献上うまのぼせに際し、院のけしきに、へつろうて、不吉なる四白よつじろの凶馬を入れ、袈裟の良人源ノ渡へ飼わせたるこそ、忠盛がとがというも、はばからぬ』
かような手段てだてをとりましたのも、何とかして、御主君のこころを慰め、ふたつには、武将の御最期として、すでに天晴あっぱれなお覚悟を示されながら、可惜あたら、浅井長政は血迷うて亡びたなどと
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なにがあらたかじゃというて、清水寺の観世音さまほど、世に顕かなほとけはない。あそこへ、祈願をこめて、やがて三七日に近い頃、なんと、武蔵めに、ちゃんと行き会わせて下されたではないか。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われわれは故浅野内匠頭の家来共にて候が、今暁、本所の吉良邸へ推参すいさん、上野介殿のしるしを乞いうけて、本意を達し、故殿の御墓前にそなえんものと、一同、当菩提所とうぼだいしょまで引き揚げて参りました。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
清子はすぐ、わが子のゆるしかと、胸おどらせた。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)