“顧(み)” の例文
お勢もまた後方(うしろ)を振反ッて顧(み)は顧たが、「誰かと思ッたら」ト云わぬばかりの索然とした情味の無い面相(かおつき)をして、急にまた彼方(あちら)を向いてしまッて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
守護(まもり)のように、ちゃんと斜めにかけているのを、旅客はまたこの時顧(み)たのである。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
右を顧(み)、左を眄(み)して、今この時、なにができようぞ。——古来の英雄どももみな、一時の人心を恐れて、禍根(かこん)を末代にのこして来たが、信長はその根をぬいてみせる。やるからには、徹(てっ)してやる。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と若い妓(こ)は頭(かぶり)を振るように左右を顧(み)る。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、木下日向守を顧(み)た。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)