“贔顧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひいき71.4%
びいき28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
市川の話になると、岡見は我を忘れてひざを乗出すようなところがあった。それほど岡見はあの人を贔顧ひいきにしていた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼様な穢多の書いたものばかり特に大騒ぎしなくても好ささうなものぢや有ませんか。どうも瀬川君が贔顧ひいきの仕方は普通の愛読者と少許すこし違ふぢや有ませんか。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
牛込の下宿を経営する市会議員夫婦と言い、この榊と言い、吉本さん贔顧びいきの人達がいろいろな方面に多いことは捨吉にも想像がついた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼の通り弱いものだから、其丈それだけ哀憐あはれみも増すのだらうと思ふね。家内はまた弟の進贔顧びいき。何ぞといふと、省吾の方を邪魔にして、無暗むやみに叱るやうなことを為る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)