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贔顧
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ひいき
ふりがな文庫
“
贔顧
(
ひいき
)” の例文
市川の話になると、岡見は我を忘れて
膝
(
ひざ
)
を乗出すようなところがあった。それほど岡見はあの人を
贔顧
(
ひいき
)
にしていた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼様な穢多の書いたものばかり特に大騒ぎしなくても好ささうなものぢや有ませんか。どうも瀬川君が
贔顧
(
ひいき
)
の仕方は普通の愛読者と
少許
(
すこし
)
違ふぢや有ませんか。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その日の競馬は五組に分れて、
抽籤
(
くじびき
)
の結果、源は最後へ廻ることになっておりました。誰しもこの最後の勝負を予想する、
贔顧
(
ひいき
)
々々につれて盛に
賭
(
かけ
)
が行われる。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼処
(
あすこ
)
に会社が見えましょう。あの社長とかが向島を
贔顧
(
ひいき
)
にしましてネ、箱根あたりへ連れてったそうです。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「でも、国の方に居るとこんなに
皆
(
みんな
)
集るようなことも無いし、何と言っても旅は面白いね」と小竹が言った。「岡の
贔顧
(
ひいき
)
なマドマゼエルもよく拝見したしサ——」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
斯の言葉を聞いて、また人々が笑へば、そこへ弥次馬が飛出す、其尾に随いて
贔顧
(
ひいき
)
不贔顧
(
ぶひいき
)
の論が始まる。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
私なんかのように貧乏人で、能の無い者でも、
難有
(
ありがた
)
いことには皆さんが
贔顧
(
ひいき
)
にしてくれてね。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
尤
(
もつと
)
も席順から言へば、丑松は首座。生徒の人望は反つて校長の上にある程。銀之助とても師範出の若手。いかに校長が文平を
贔顧
(
ひいき
)
だからと言つて、二人の位置を動かす訳にはいかない。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「ここですか、貴方の
贔顧
(
ひいき
)
にしてる家は」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
贔
漢検1級
部首:⾙
21画
顧
常用漢字
中学
部首:⾴
21画
“贔”で始まる語句
贔屓
贔負
贔屓目
贔屓眼
贔負目
贔屓分
贔屓筋
贔屓強
贔屓客
贔屓心