“ひいき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
贔屓82.5%
贔負14.6%
贔顧1.6%
愛顧1.0%
顧客0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いったいひとり荒岩に限らず、国見山でも逆鉾さかほこでもどこか錦絵にしきえの相撲に近い、男ぶりの人にすぐれた相撲はことごとく僕の贔屓ひいきだった。
追憶 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかしかえって内敵をこそ怖れてよい。内敵というのは、贔負ひいきをしながら、民藝を浅く甘く受取っている人たちを指すのである。
改めて民藝について (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
彼様な穢多の書いたものばかり特に大騒ぎしなくても好ささうなものぢや有ませんか。どうも瀬川君が贔顧ひいきの仕方は普通の愛読者と少許すこし違ふぢや有ませんか。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
八百安が物は何時いつも帳面につけた様なと笑はるれど、愛顧ひいきは有がたきもの、曲りなりにも親子三人の口をぬらして、三之助とて八歳やつになるを五厘ごりん学校に通はするほどの義務つとめもしけれど
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
菊五郎吉右衛門も、今と大差なしでかたまってしまうだろうし、歌舞伎座幹部連もいずれも年配で、先が見えている、大器晩成と顧客ひいきがいう栄三郎もチト怪しいものである。
当今の劇壇をこのままに (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)