“とくい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
得意44.8%
顧客24.1%
花客8.3%
華客8.3%
花主6.2%
特異2.8%
常客1.4%
華主1.4%
顧主1.4%
主顧0.7%
得客0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こんどは用吉君ようきちくんが、得意とくい相手あいてくびをしめにかかったが、反対はんたい自分じぶんくびをしめつけられ、ゆでだこのようになってしまった。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
しかもそれは別にこれという目的なしにいただいたのだから彼は平生でも、優に売卜者うらないしゃ顧客とくいになる資格を充分具えていたに違ない。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
品川では軍艦ふねの方が大のお花客とくいでげすから、花里もその頃はまだ出たてゞはございますし、人々から注意をうけておろそかならぬ※待もてなしをいたしたので、海上も始終しょっちゅう通ってられましたが
「知合ひといふ程ぢやありませんが、向柳原の叔母が、内職のお仕事のお華客とくいの一人で不斷から顏くらゐは知つてゐますよ」
……立派な手腕うでを持つておありだし、伯父さんの代からの花主とくいはたんとお有りだらうし、こころを入れ換へてさ。
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
つまるところ、本書ほんしょ小櫻姫こざくらひめ通信者つうしんしゃ、Tじょ受信者じゅしんしゃ、そしてわたくし筆録者ひつろくしゃ総計そうけいにんがかりで出来できあがった、一しゅ特異とくい作品さくひん所謂いわゆる霊界れいかい通信つうしんなのであります。
四谷のお常客とくい樣から、冬支度の仕立物を頼まれて、泊りがけで縫つて居るうち、現に目の前で、大膳坊が土竈へつゝひの下から、小粒と小判交ぜて二兩三分と掘り出したのを見て來て、私の家の土竈の下にも
寺院は随一の華主とくいなる豆府とうふ屋の担夫かつぎ一人、夕巡回ゆうまわりにまた例の商売あきないをなさんとて、四ツ谷油揚坂あぶらげざかなる宗福寺にきたりけるが、数十輛の馬車、腕車わんしゃ梶棒かじぼうを連ね輪をならべて、肥馬いななき、道を擁し、馭者ぎょしゃ
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かれまち沢山たくさん病家びょうか顧主とくいっている。で、かれ自分じぶん心窃こころひそか院長いんちょうよりはるか実際じっさいにおいて、経験けいけんんでいるものとみとめていた。なんとなれば院長いんちょうにはまち顧主とくい病家びょうかなどはすこしもいのであるから。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ところが二三日のち、よく主顧とくいにしていた、大仏前だいぶつまえ智積院ちしゃくいんという寺へ、用が出来たので、例の如く、私は書籍を背負しょって行った。
子供の霊 (新字新仮名) / 岡崎雪声(著)
その日、両国向うの得客とくい先へ配達する品があって、それは一番後廻、途中方々へ届けながら箱車を曳いて、草鞋穿わらじばきで、小僧で廻った。日が暮れたんです。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)