“きゃく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
78.3%
10.8%
嫖客3.6%
旅客1.2%
旅行客1.2%
来客1.2%
浴客1.2%
華客1.2%
訪客1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なつは、水草みずくさはいいものだ。あれを一鉢ひとはちってもわるくないな。」と、わらいながら、おきゃくはなしとはまったく関係かんけいなしにかんがえていたのでした。
ガラス窓の河骨 (新字新仮名) / 小川未明(著)
部屋のすみに一きゃくのこわれかかった長イスがおかれ、その上に一枚の古毛布がまるめてあるほかには、道具らしいものは何一品ありません。まるで牢獄のような感じです。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
けれども其処にいるとすれば、何れ長田のことだから、此の間も、あの「本当に何処かへ行くか知らん?」と言っていた処を見ると、遣って行くに相違ない。その他もとより種々いろん嫖客きゃくに出る。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
(こんどの船都合は、この飾磨しかまに上がる旅客きゃくもなし、少しの積荷は、沖待ちの船頭から受取ったので、船はすぐここからむろへ廻し、先を急ぐので)
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勿論それは毎日毎日観飽きている賑かさには相違ないが、しかし同時にその賑かさは新来の旅行客きゃくを喜ばすに足る大変珍奇めずらしい賑かさでもあった。まちの真中に山のように喇嘛ラマの宮殿が聳えている。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
私という不意の新しい来客きゃくがあったためにどこかでしばらく遠慮していたらしい気色けはいであった。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
ちょうど七ツさがり、暑いさかりで、浴客きゃくはほんの二三人。
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「とんでもない、——私の大事なお華客きゃく様だ。百までも生きて貰いたいと思いましたよ」