“浴客”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よくかく33.3%
よっきゃく22.2%
おきゃく11.1%
きゃく11.1%
よくきやく11.1%
よっかく11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先生が昨日きのうのように騒がしい浴客よくかくの中を通り抜けて、一人で泳ぎ出した時、私は急にそのあとが追い掛けたくなった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たまに、山越えの諸国担ぎ売りが宿をとるくらいのもので、もとより浴客よっきゃくなどはないのだから、温泉とはいっても、沢の底の奇巌のあいだに噴き出るに任せ、あふるるままに
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ともかく、二人の先触さきぶれ小僧が、小川湯へつくと、ほか浴客おきゃくがあろうがなかろうが、衣類きものぎ場をパッパッと掃きはじめ、ござを敷く、よきところへ着物を脱ぐ入れものをおく。
ちょうど七ツさがり、暑いさかりで、浴客きゃくはほんの二三人。
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
こずゑ三階さんがい高樓かうろう屋根やねき、えだかはなかばへ差蔽さしおほうたけやきしたに、片手かたて番傘ばんがさを、トンとかたたせながら、片手釣かたてづりかる岩魚いはなつて浴客よくきやく姿すがたえる。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
冬向は一切浴客よっかくはありませんで、野猪しし、狼、猿のたぐいさぎしん雁九郎かりくろうなどと云う珍客に明け渡して、旅籠屋は泊の町へ引上げるくらい。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)