“嫖客”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひょうきゃく31.3%
ひょうかく31.3%
きゃく18.8%
へうかく6.3%
おきゃく6.3%
ひようきやく6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつの頃か、お千代という眉目みめのすぐれた売笑婦が、浜町の菖蒲河岸あやめがしに舟をつないで、嫖客ひょうきゃくを招くに水上から
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
殿中にあって将軍大名の雑役に服するものも、遊里にあって嫖客ひょうかくの興を助くるものも、みな坊主をもって呼ばれることとなる。
俗法師考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
吉原の情婦おんなにでも逢いに行く嫖客きゃくを乗せて行くものらしい。が、彼はそんなことにも気がつかなかった。にぎやかなくるわを横目に見ながら、そのまま暗い土手の上を歩きつづけた。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
本郷界隈かいわいの或禅寺の住職で、名は禅超ぜんてうと云つたさうである。それがやはり嫖客へうかくとなつて、玉屋の錦木にしきぎと云ふ華魁おいらん馴染なじんでゐた。
孤独地獄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その頃、満月に三人の嫖客おきゃくが附いていた。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
たとひ中村遊郭が、東洋一の建築美を誇つても、さうして今なほ木の香新らしく嫖客ひようきやくの胸を打つても、やはり遊郭は旧時代の遺物である。
名古屋スケッチ (新字新仮名) / 小酒井不木(著)