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嫖客
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ひょうきゃく
ふりがな文庫
“
嫖客
(
ひょうきゃく
)” の例文
いつの頃か、お千代という
眉目
(
みめ
)
のすぐれた売笑婦が、浜町の
菖蒲河岸
(
あやめがし
)
に舟をつないで、
嫖客
(
ひょうきゃく
)
を招くに水上から
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしなんとなく不安と殺気とが、この盛り場へみなぎり出したので、
嫖客
(
ひょうきゃく
)
の群れが恐怖心を抱いて、家路に向かって帰り出した、その人たちの群れなのであった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼は酔っ払った
嫖客
(
ひょうきゃく
)
や、嫖客を呼びとめる女の声の聞こえて来る、往来に面した部屋に一人坐っていた。勢いづいた三味線や太鼓の音が近所から、彼の一人の心に響いて来た。
ある心の風景
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
それも江戸の
泰平
(
たいへい
)
が今絶頂という
元禄
(
げんろく
)
さ中の仲之町の、ちらりほらりと花の便りが、きのう今日あたりから立ちそめかけた春の宵の五ツ前でしたから、無論
嫖客
(
ひょうきゃく
)
は出盛り時です。
旗本退屈男:01 第一話 旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
肌合面白く床の上手なるものかへつて二、三枚下つた処にありしぞかし。然るを世の
嫖客
(
ひょうきゃく
)
といふものは大抵土地の評判を目当にして女を選び、新聞の美人投票に当りしものなぞ買ふを名誉とす。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
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かくして乗りつけたところは、
粋客
(
すいきゃく
)
嫖客
(
ひょうきゃく
)
の行きも帰りも悩みの多い、吉原大門前です。無論もう客止めの大門は閉じられていましたが、そこへ行くと三とせ越しのお顔が物を言うのだから叶わない。
旗本退屈男:01 第一話 旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
夜鷹がその家へ集まるので、当然に
嫖客
(
ひょうきゃく
)
が集まって来る。その嫖客たるや大変物で、
折助
(
おりすけ
)
や船頭や紙屑買いや、座頭や下職や
臥煙
(
がえん
)
などで最下等の部に属している、そういったような人間どもであった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
嫖
漢検1級
部首:⼥
14画
客
常用漢字
小3
部首:⼧
9画
“嫖”で始まる語句
嫖騎
嫖
嫖界
嫖緻
嫖致
嫖蕩