“ひょうきゃく”の漢字の書き方と例文
語句割合
嫖客100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それも江戸の泰平たいへいが今絶頂という元禄げんろくさ中の仲之町の、ちらりほらりと花の便りが、きのう今日あたりから立ちそめかけた春の宵の五ツ前でしたから、無論嫖客ひょうきゃくは出盛り時です。
肌合面白く床の上手なるものかへつて二、三枚下つた処にありしぞかし。然るを世の嫖客ひょうきゃくといふものは大抵土地の評判を目当にして女を選び、新聞の美人投票に当りしものなぞ買ふを名誉とす。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
かくして乗りつけたところは、粋客すいきゃく嫖客ひょうきゃくの行きも帰りも悩みの多い、吉原大門前です。無論もう客止めの大門は閉じられていましたが、そこへ行くと三とせ越しのお顔が物を言うのだから叶わない。