“華主(とくい)” の例文
奥に三味(さみ)の音(ね)の聞ゆる類(たぐひ)にあらざるを以(もつ)て、頬被(ほゝかぶり)、懐手(ふところで)、湯上りの肩に置手拭(おきてぬぐひ)などの如何(いかゞ)はしき姿を認めず、華主(とくい)まはりの豆府屋、八百屋、魚屋、油屋の出入(しゆつにふ)するのみ。
草あやめ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
寺院は随一の華主(とくい)なる豆府(とうふ)屋の担夫(かつぎ)一人、夕巡回(ゆうまわり)にまた例の商売(あきない)をなさんとて、四ツ谷油揚坂(あぶらげざか)なる宗福寺に来(きた)りけるが、数十輛の馬車、腕車(わんしゃ)、梶棒(かじぼう)を連ね輪を駢(なら)べて、肥馬嘶(いなな)き、道を擁し、馭者(ぎょしゃ)
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)