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花主
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とくい
ふりがな文庫
“
花主
(
とくい
)” の例文
宜
(
よ
)
かろう、毎日の米の代といっても差支えない、大切なお
花主
(
とくい
)
を無くする上に、この間から相談のある、黒百合の話も
徒為
(
ふい
)
になりやしないかね。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……立派な
手腕
(
うで
)
を持つておありだし、伯父さんの代からの
花主
(
とくい
)
はたんとお有りだらうし、こころを入れ換へてさ。
もつれ糸
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
お
母
(
っかあ
)
それはねお前が腹を立つのは
尤
(
もっと
)
もだけれども、是には
種々
(
いろ/\
)
な深い訳のあることで、私も此方様へ二月からお出入して、初めはやれこれ云って有難い
花主
(
とくい
)
と思って
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
見てとる主人は
花主
(
とくい
)
を逃さずたうとう
売
(
うり
)
つけてしまひ
升
(
まし
)
て、新聞紙へ包んだ風琴を持つて其店を出
升
(
まし
)
た時は、
巾着
(
きんちやく
)
へ納めて懐へ入れた大事の/\金貨がチヤント人手に渡つてしまつて居り
升
(
まし
)
た。
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
月夜に
背後
(
うしろ
)
からついて来て、お
花主
(
とくい
)
の
門
(
かど
)
でやる処を、こぼれ聞きに聞いたら
可
(
よ
)
いと、
愛嬌
(
あいきょう
)
の無いことを
謂
(
い
)
ったそうな。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
誰もこの
迷
(
まよい
)
ばかりは免れぬわ。やっぱりそれこちとらがお
花主
(
とくい
)
の方に深いのが一人出来て、雨の
夜
(
よ
)
、雪の夜もじゃ。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「それを言うなというに。無縁塚をお
花主
(
とくい
)
だなぞと、とかく魔の物を
知己
(
ちかづき
)
にするから悪いや、で、どうする。」
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「話せるな、酒と聞いては足腰が立たぬけれども、このままお
輿
(
みこし
)
を据えては例のお
花主
(
とくい
)
に相済まぬて。」
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
客はこの
近辺
(
ちかまわり
)
の場所には余り似合わぬ学生風、何でも中洲に住んでるとより外
悉
(
くわ
)
しくは知らないが、久しい間の
花主
(
とくい
)
で紋床はただ
背後
(
うしろ
)
の私立学校で一科目預っている人物と心得て、先生
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
柳屋
(
やなぎや
)
は
土地
(
とち
)
で
老鋪
(
しにせ
)
だけれども、
手廣
(
てびろ
)
く
商
(
あきなひ
)
をするのではなく、八九十
軒
(
けん
)
もあらう百
軒
(
けん
)
足
(
た
)
らずの
此
(
こ
)
の
部落
(
ぶらく
)
だけを
花主
(
とくい
)
にして、
今代
(
こんだい
)
は
喜藏
(
きざう
)
といふ
若
(
わか
)
い
亭主
(
ていしゆ
)
が、
自分
(
じぶん
)
で
賣
(
う
)
りに
𢌞
(
まは
)
るばかりであるから
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
柳屋は土地で
老鋪
(
しにせ
)
だけれども、手広く
商
(
あきない
)
をするのではなく、八九十軒もあろう百軒足らずのこの部落だけを
花主
(
とくい
)
にして、
今代
(
こんだい
)
は
喜蔵
(
きぞう
)
という若い亭主が、自分で売りに
廻
(
まわ
)
るばかりであるから
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これ
大弓場
(
だいきうば
)
の
爺樣
(
ぢいさん
)
なり。
人
(
ひと
)
に
逢
(
あ
)
へば
顏相
(
がんさう
)
をくづし、
一種
(
いつしゆ
)
特有
(
とくいう
)
の
聲
(
こゑ
)
を
發
(
はつ
)
して、「えひゝゝ。」と
愛想
(
あいさう
)
笑
(
わらひ
)
をなす、
其顏
(
そのかほ
)
を
見
(
み
)
ては
泣出
(
なきだ
)
さぬ
嬰兒
(
こども
)
を——、「あいつあ
不思議
(
ふしぎ
)
だよ。」とお
花主
(
とくい
)
は
可愛
(
かはい
)
がる。
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
お前のお
花主
(
とくい
)
の、知事の嬢さんが、よく知ってお
在
(
いで
)
だろうが、黒百合というのもやっぱりその百合の中の一ツで、花が黒いというけれども、私が聞いたのでは、
真黒
(
まっくろ
)
な花というものはないそうさ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「四十物町のお
花主
(
とくい
)
というと、何、知事様のお邸だッけや。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
花
常用漢字
小1
部首:⾋
7画
主
常用漢字
小3
部首:⼂
5画
“花”で始まる語句
花
花瓶
花魁
花弁
花片
花園
花崗岩
花簪
花崗石
花車