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覩
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み
ふりがな文庫
“
覩
(
み
)” の例文
貫一は彼の説進むに従ひて、
漸
(
やうや
)
くその心事の火を
覩
(
み
)
るより
明
(
あきらか
)
なるを得たり。彼が千言万語の舌を
弄
(
ろう
)
して
倦
(
う
)
まざるは、
畢竟
(
ひつきよう
)
利の一字を
掩
(
おほ
)
はんが為のみ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
採鉱溶鉱より運搬に至るまでの光景
仔細
(
しさい
)
に写し
出
(
いだ
)
して目
覩
(
み
)
るがごとし。ただに題目の新奇なるのみならず、その叙述の
巧
(
たくみ
)
なる、実に『万葉』以後の手際なり。
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
かくて
餘物
(
よぶつ
)
を
覩
(
み
)
るや。
皆
(
みな
)
丘山
(
きうざん
)
もたゞならず、
乃
(
すなは
)
ち
自
(
みづか
)
ら
射
(
い
)
る。
射
(
い
)
るに
從
(
したが
)
うて、
𥶡
(
りん
)
盡
(
こと/″\
)
く
蟲
(
むし
)
の
心
(
むなもと
)
を
貫
(
つらぬ
)
く。
以
(
もつ
)
て
飛衞
(
ひゑい
)
に
告
(
つ
)
ぐ。
先生
(
せんせい
)
、
高踏
(
かうたふ
)
して
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つて
曰
(
いは
)
く、
汝得之矣
(
なんぢこれをえたり
)
。
術三則
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
(七〇)
同明
(
どうめい
)
相照
(
あひてら
)
し、
(七一)
同類
(
どうるゐ
)
相求
(
あひもと
)
む。
雲
(
くも
)
は
龍
(
りよう
)
に
從
(
したが
)
ひ、
風
(
かぜ
)
は
虎
(
とら
)
に
從
(
したが
)
ふ。
(七二)
聖人
(
せいじん
)
作
(
おこ
)
つて
萬物
(
ばんぶつ
)
覩
(
み
)
る。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
それから間もなく小野と懇意になった。会社員だという触込みであったが、
覩
(
み
)
ると聴くとは大違いで、一緒に世帯を持って見ると、いろいろの
襤褸
(
ぼろ
)
が見えて来た。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
臣
伏
(
ふ
)
して祖訓を
覩
(
み
)
るに
云
(
い
)
えることあり、
朝
(
ちょう
)
に正臣無く、内に奸悪あらば、
則
(
すなわ
)
ち親王兵を訓して命を待ち、天子
密
(
ひそ
)
かに諸王に
詔
(
みことのり
)
し、鎮兵を統領して之を討平せしむと。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
これ則ち十五、六歳の少年に告げたるなり、その
真率
(
しんそつ
)
にして
磊灑
(
らいしゃ
)
なる、直ちに肺肝を
覩
(
み
)
るが如し。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
妙光女魂既に
亡
(
うせ
)
たりといえども、容儀儼然活けるがごとく、
妍華
(
けんか
)
平生に異ならざるを
覩
(
み
)
、
相
(
あい
)
いいて曰く、この女かくまで美艶にして、遠く
覓
(
もと
)
むるも等類なしと、各々
染心
(
ぜんしん
)
を生じ
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
其中
(
そのうち
)
に親類の人達が集まって来る、お寺から坊さんが来る、其晩はお
通夜
(
つや
)
で、翌日は葬式と、何だか
家内
(
かない
)
が
混雑
(
ごたごた
)
するのに、
覩
(
み
)
る物聞く事皆珍らしいので、私は其に紛れて何とも思わなかったが
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
しかれどもはたしてこれを仕遂ぐるや否やは
逆
(
あらかじ
)
め
覩
(
み
)
るべからず、かつただこれを言論の上に発せんか、利弊いまだ知るべからず、しかれどもこれを実行の途に置くときはいかなる効果を生ずべきか
近時政論考
(新字新仮名)
/
陸羯南
(著)
その心得なき者は実際
覩
(
み
)
た物を宣誓して画いてさえかく途方もなき錯誤を免れぬ事あり
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
何ぞその言の歴々落々として青天白日を
覩
(
み
)
るが如き。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「光景
覩
(
み
)
るがごとし……
詳
(
くわし
)
いなあ。」
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
仰いでは
覩
(
み
)
る
雲際
(
うんさい
)
の
禽
(
とり
)
。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その人その場を去って還り、往って見れば、猪群既に散じて狼は腹
割
(
さ
)
かれて死しいた。シュマルダが
覩
(
み
)
た家猪の一群は、二狼に遇いてたちまち
橛状
(
くつわじょう
)
の陣を作り
鬣
(
たてがみ
)
を立て
呻
(
うめ
)
いて静かに狼に近づく。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
衿佩
(
きんぱい
)
儀刑
(
ぎけい
)
を
覩
(
み
)
る。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
アダム夫妻もと只今の人の指と足の
趾
(
ゆび
)
の端にある爪の通りの皮を被りいたが、惑わされて禁果を
吃
(
く
)
うとその皮たちまち堕ち去り丸裸となり、指端の爪を
覩
(
み
)
て今更楽土の面白さを
懐
(
おも
)
うても追い付かず。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
覩
漢検1級
部首:⾒
16画
“覩”を含む語句
目覩
覩易
逆覩
聞覩
覩新及第題名処
覩窮