)” の例文
でも、あれは、もう暮に、いちゃんの所へ着て行ったんですものと御作さんが答えた。そうか、じゃこれが好いだろう。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
左樣さやうならとてかしらさげげるに、あれいちやんの現金げんきんな、うおおくりはりませぬとかえ、そんならわたし京町きやうまち買物かいものしましよ、とちよこ/\ばしりに長屋ながや細道ほそみちむに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「オイオイ。物騒な事を云うなよ……オヤッ。いちゃん……泣いているのか」
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「いけねえよ。い坊は声が大きいから、はらはらするのだ」
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「まあ、ごとな蛍にございます。」
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
伊知遲いちぢ島 
その間に、御作さんは、髪結に今日はいちゃんを誘って、旦那に有楽座へ連れて行って貰うんだと話した。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
姉なる人が全盛の餘波なごり、延いては遣手新造やりてしんぞが姉への世辭にも、いちやん人形をお買ひなされ、これはほんの手鞠代と、呉れるに恩を着せねば貰ふ身の有がたくも覺えず、まくはまくは
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あねなるひと全盛ぜんせい餘波なごりいては遣手新造やりてしんぞあねへの世辭せじにも、いちやん人形にんげうをおひなされ、これはほんの手鞠代てまりだいと、れるにおんせねばもらありがたくもおぼえず、まくはまくは
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あやしさよとばかさとし燈下とうかうでみしが、ひろひきしは白絹しろぎぬ手巾はんけちにて、西行さいぎやう富士ふじけむりのうたつくろはねどもふでのあとごとにきたり、いよいよさとりめかしきをんな不思議ふしぎおもへば不思議ふしぎかぎりなく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)