)” の例文
その煙の中に、もうこく(午後二時)に近いかと思われる太陽が、一粒の珊瑚さんごのようにいぶされていた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日脚ひあしはもうこくを過ぎていた。宗徒の手入にすこしの手落もないようにと、板倉伊賀守と共に鋭い眼を四方に配っている大久保忠隣のかたわらへ、役人に案内せられて貧相な一人の僧侶が来た。
切支丹転び (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)