)” の例文
その鉢の下に紙片があって「好く休する時を得て即ち好く休せよ、花を収めを結んで錦州に在り」という詩句が書いてあった。
緑衣人伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
梅がを結ぶ毎に、少年等はこれを摘み取り、相擲あひなげうつてたはむれとした。当時未だ曾て梅子ばいしの黄なるを見るに及ばなかつたのである。既にして榛軒が歿し、弟子が散じた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
大王深山にして嶺の木のをひろひ、沢の若菜を摘みて行ひ給ひける程に、一人の梵士出で来て、大王のかくて行ひ給ふこと希代のことなり。御伽仕るべしとて仕へ奉る。 (宝物集第五)
人形の話 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
臂肘甚だ長く、屡長臂を山巓に伸べて数千の貝子を東溟の中に撮り、其のくらひ、殻を茲の地に棄つ。委積して丘の如し。郷人其の神を称して手長明神と謂ふ。委殻の地之を貝塚と謂ふ。
手長と足長:土蜘蛛研究 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
ここに御佩みはかし十拳とつかの劒を拔きて、後手しりへできつつ逃げ來ませるを、なほ追ひて黄泉比良坂よもつひらさか一八の坂本に到る時に、その坂本なるもも三つをとりて持ち撃ちたまひしかば、悉に逃げ返りき。
これの実を指にて摘めば虫などのはねるやうに自ら動きて、さや破れ飛ぶこと極めて速やかなり。かゝるものを見るにつけても、草に木に鳥に獣にそれ/″\行はるゝ生々の道のかしこきをおもふ。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あさな/\來鳴く小雀は松のをはむとにかあらし松葉たちくゝ
長塚節歌集:2 中 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
花はとなるうす櫻
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
ももりたまはく、「いまし、吾を助けしがごと、葦原の中つ國にあらゆるうつしき青人草一九の、き瀬に落ちて、患惚たしなまむ時に助けてよ」とのりたまひて、意富加牟豆美おほかむづみの命といふ名を賜ひき。
木瓜のや葉は皆落ちて秋の霜
長塚節句集 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
齒竝びはしいひしの實のようだ。