さね)” の例文
旧字:
なお娘子には、「天地の至極そこひうちにあが如く君に恋ふらむ人はさねあらじ」(巻十五・三七五〇)というのもある程だから、情熱を以て強く宅守に迫って来た女性だったかも知れない。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
その法は、つるし柿をさねをとりてひしいで、歯にて食いきらぬようにかみて、一息にのむべし。抜けること妙なり。また、「左」の文字を杯の中へ書き、水にてとき、のむべし。抜けること妙なり。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
めぐる人もさねなし必ずも言ふらくただに下心したに思はず
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)