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輙
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すなわ
ふりがな文庫
“
輙
(
すなわ
)” の例文
然レドモ人ト
為
(
な
)
リ気ヲ
尚
(
とうと
)
ビ、
厳峻
(
げんしゅん
)
ヲ以テ自ラ
厲
(
はげま
)
ス。
頗
(
すこぶ
)
ル
偏窄
(
へんさく
)
ニシテ少シク意ニ愜カザルヤ
輙
(
すなわ
)
チ
咄咄
(
とつとつ
)
トシテ
慢罵
(
まんば
)
ス。多ク人ノ
悪
(
にく
)
ム所トナル。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
もし多数的信任を失えば
輙
(
すなわ
)
ち辞職して新たなる多数派にその地位を譲らねばならぬ。この議院内閣制の運用が、責任内閣の主義を頗る巧妙に徹底せしめて居るのである。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
剣を
按
(
あん
)
じて右に
趨
(
おもむ
)
きて曰く、諸君
乞
(
こ
)
うらくは
勉
(
つと
)
めよ、昔
漢高
(
かんこう
)
は十たび戦って九たび敗れぬれど
終
(
つい
)
に天下を有したり、今事を挙げてより
連
(
しきり
)
に
勝
(
かち
)
を得たるに、
小挫
(
しょうざ
)
して
輙
(
すなわ
)
ち帰らば
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
象山
儼然
(
げんぜん
)
として曰く、「貴公は学問する積りか、言葉を習う積りか。もし学問する積りならば、弟子の礼をとりて
来
(
きた
)
れ」と。松陰
輙
(
すなわ
)
ち帰りて衣服を改め、
上下
(
かみしも
)
を着し、その門に入れり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
君
乃
(
すなわ
)
チ一策ヲ進メ京紳ノ間ニ周旋ス。事
輙
(
すなわ
)
チ行ハレズ。他日石河
鵜飼
(
うがい
)
ノ諸氏遊説スルヤ別勅終ニ
降
(
くだ
)
ル。アルイハコレニ
基
(
もとづ
)
クカ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
帝、孝孺の一族を収め、一人を収むる
毎
(
ごと
)
に
輙
(
すなわ
)
ち孝孺に示す。孝孺顧みず、
乃
(
すなわ
)
ち之を殺す。孝孺の妻
鄭氏
(
ていし
)
と
諸子
(
しょし
)
とは、皆
先
(
ま
)
ず
経死
(
けいし
)
す。二女
逮
(
とら
)
えられて
淮
(
わい
)
を過ぐる時、
相
(
あい
)
与
(
とも
)
に橋より投じて死す。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
文壇の風潮たとへば客観的小説を芸術の
上乗
(
じょうじょう
)
なるものとなせばとて
強
(
し
)
ひてこれに
迎合
(
げいごう
)
する必要はなし。作者
輙
(
すなわ
)
ちおのれの
柄
(
がら
)
になきものを書かんとするなかれ。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
燕王手を
拍
(
う
)
って笑って、
李九江
(
りきゅうこう
)
は
膏梁
(
こうりょう
)
の
豎子
(
じゅし
)
のみ、未だ
嘗
(
かつ
)
て兵に習い陣を見ず、
輙
(
すなわ
)
ち
予
(
あた
)
うるに五十万の衆を以てす、
是
(
これ
)
自ら
之
(
これ
)
を
坑
(
あな
)
にする
也
(
なり
)
、と云えるもの、酷語といえども当らずんばあらず。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
一夕藩吏突トシテ至リ、家君ヲ以テ去リ吉田城ニ押送シ妻児ヲ
谷中
(
やなか
)
ノ別邸ニ幽ス。両地
音耗
(
おんこう
)
全ク絶ユ。時ニ弘ナオ幼ナリ。出デヽ
羣児
(
ぐんじ
)
ト戯ル。
輙
(
すなわ
)
チ皆
罵
(
ののし
)
ツテ曰ク汝ノ父ハ賊ナリト。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
輙
漢検1級
部首:⾞
15画