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容易
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ようい
ふりがな文庫
“
容易
(
ようい
)” の例文
しかし
容易
(
ようい
)
なことでは、かれにうたがわれるから、あくまでおまえは子供らしく、いざとなったらかくかくのことをもうしのべろ……
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おとつゝあ
等
(
ら
)
そんな
錢
(
ぜね
)
なんざ
一錢
(
ひやく
)
だつて
持
(
も
)
つてねえから、
鹽
(
しほ
)
だつて
容易
(
ようい
)
なもんぢやねえや、そんな
餘計
(
よけい
)
なもの
何
(
なん
)
になるもんぢやねえ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
富士山
(
ふじさん
)
の
測量
(
そくりょう
)
はいまだ
綿密
(
めんみつ
)
に出来ていないごとく、大人物であればあるほど、その高さも大きさも
容易
(
ようい
)
に
凡人
(
ぼんじん
)
の見分け得るものでない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
外套
(
ぐわいたう
)
も
脱
(
ぬ
)
がずに、
上
(
うへ
)
から
曲
(
こゞ
)
んで、すう/\いふ
御米
(
およね
)
の
寐息
(
ねいき
)
をしばらく
聞
(
き
)
いてゐた。
御米
(
およね
)
は
容易
(
ようい
)
に
覺
(
さ
)
めさうにも
見
(
み
)
えなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
親方はなかなか
容易
(
ようい
)
なことでまごつくような、まのぬけた男ではなかった。ていねいにしかも
例
(
れい
)
の
大
(
おお
)
ふうな様子で、医者を引き止めた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
▼ もっと見る
幸ひ間もなく正氣づきましたが、餘程ひどく
怯
(
おび
)
えたものと見えて、
啜
(
すゝ
)
り泣いたり
顫
(
ふる
)
へたりするばかりで、
容易
(
ようい
)
に口も利けません。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「この
海
(
うみ
)
を
越
(
こ
)
えて、
島
(
しま
)
に
達
(
たっ
)
することは
容易
(
ようい
)
のことでない。
疲
(
つか
)
れを
休
(
やす
)
めて、
穏
(
おだ
)
やかな、いい
天気
(
てんき
)
のつづく
日
(
ひ
)
を
待
(
ま
)
とうではないか。」
北海の波にさらわれた蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
失望湾は左門洞から約二十キロメートルの
距離
(
きょり
)
にある、これは万一のばあい、左門洞の一同と
消息
(
しょうそく
)
を通ずるにしごく
容易
(
ようい
)
である。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
少
(
すこ
)
しも
長
(
なが
)
く、おせんを
引
(
ひ
)
き
止
(
と
)
めておきたい
人情
(
にんじょう
)
が、
互
(
たがい
)
の
口
(
くち
)
を
益々
(
ますます
)
軽
(
かる
)
くして、まるく
囲
(
かこ
)
んだ
人垣
(
ひとがき
)
は、
容易
(
ようい
)
に
解
(
と
)
けそうにもなかった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
さうして
學校
(
がつこう
)
の
教場内
(
きようじようない
)
に
竝列
(
へいれつ
)
した
多數
(
たすう
)
の
机
(
つくゑ
)
や
或
(
あるひ
)
は
銃器臺
(
じゆうきだい
)
などは、
其連合
(
そのれんごう
)
の
力
(
ちから
)
を
以
(
もつ
)
て、
此桁
(
このけた
)
や
梁
(
はり
)
、
又
(
また
)
は
小屋組
(
こやぐみ
)
全部
(
ぜんぶ
)
を
支
(
さゝ
)
へることは
容易
(
ようい
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
そんな
面倒
(
めんどう
)
な
手続
(
てつづき
)
を
踏
(
ふ
)
んであってさえも、
幽
(
ゆう
)
から
顕
(
けん
)
に、
肉体
(
にくたい
)
のないものから
肉体
(
にくたい
)
のあるものに、
移
(
うつ
)
り
変
(
かわ
)
るには、
実
(
じつ
)
に
容易
(
ようい
)
ならざる
御苦心
(
ごくしん
)
と
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
『一、二、三、
進
(
すゝ
)
め』の
號令
(
がうれい
)
もなく、
各自
(
てんで
)
に
皆
(
みな
)
勝手
(
かつて
)
に
走
(
はし
)
り
出
(
だ
)
して
勝手
(
かつて
)
に
止
(
と
)
まりましたから、
容易
(
ようい
)
に
競爭
(
きやうさう
)
の
終
(
をは
)
りを
知
(
し
)
ることが
出來
(
でき
)
ませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
此燒土
(
このやけつち
)
に
就
(
つい
)
て、
武内桂舟畫伯
(
たけうちけいしうぐわはく
)
の
説
(
せつ
)
がある。
氏
(
し
)
は
陶器通
(
たうきつう
)
の
立場
(
たちば
)
からして
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
たので、
土
(
つち
)
が
燒
(
やけ
)
て
層
(
さう
)
を
成
(
な
)
すまで
火
(
ひ
)
を
焚
(
た
)
くといふのは、
容易
(
ようい
)
でない。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
奉行所へ
召連
(
めしつれ
)
奉らん
抔
(
など
)
と
上
(
うへ
)
へ對し
容易
(
ようい
)
ならざる
過言
(
くわごん
)
無禮
(
ぶれい
)
とや言ん
緩怠
(
くわんたい
)
とや言ん言語に絶せし口上かな
忝
(
かたじけ
)
なくも天一坊樣には
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それが彼の顔を見ると、「
俸給
(
ほうきゅう
)
ですね」と
一言
(
ひとこと
)
云った。彼も「そうです」と一言答えた。が、主計官は用が多いのか、
容易
(
ようい
)
に月給を渡さなかった。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
今度
(
こんど
)
は石を
錦
(
にしき
)
に
裹
(
つゝ
)
んで
藏
(
くら
)
に
納
(
をさ
)
め
容易
(
ようい
)
には
外
(
そと
)
に出さず、時々出して
賞
(
め
)
で
樂
(
たのし
)
む時は先づ
香
(
かう
)
を
燒
(
たい
)
て
室
(
しつ
)
を
清
(
きよ
)
める
程
(
ほど
)
にして居た。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
で、
高尾
(
たかを
)
、
薄雲
(
うすぐも
)
、
芳野
(
よしの
)
など
云
(
い
)
ふ
絶世
(
ぜつせい
)
の
美人
(
びじん
)
の
身代金
(
みのしろきん
)
、
即
(
すなは
)
ち
人參
(
にんじん
)
一兩
(
いちりやう
)
の
値
(
あたひ
)
は、
名高
(
なだか
)
い
遊女
(
おいらん
)
一人
(
いちにん
)
に
相當
(
さうたう
)
するのであるから、
蓋
(
けだ
)
し
容易
(
ようい
)
なわけのものではない。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其れから彼は
餅
(
もち
)
でもやると
容易
(
ようい
)
に食わず、
熟
(
じっ
)
と主人の顔を見て、其れ切りですか、まだありますかと云う
貌
(
かお
)
をした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
なるほど、それはお
腹
(
はら
)
の
立
(
た
)
つのはごもっともです。けれども人の
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
るというのは
容易
(
ようい
)
なことではありません。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
つまり
兎
(
うさぎ
)
は
外敵
(
がいてき
)
に
弱
(
よわ
)
い
動物
(
どうぶつ
)
ですから、
冬
(
ふゆ
)
雪
(
ゆき
)
が
降
(
ふ
)
つて
野山
(
のやま
)
が
眞白
(
まつしろ
)
になれば
自分
(
じぶん
)
のからだをも
同
(
おな
)
じように
白
(
しろ
)
くして
外
(
ほか
)
から
容易
(
ようい
)
に
見
(
み
)
つからないようにするのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
大
(
おほ
)
きい
博物館
(
はくぶつかん
)
をつくることは
金
(
かね
)
さへあれば
容易
(
ようい
)
でありますが、
良
(
よ
)
い
博物館
(
はくぶつかん
)
をつくることは
金以外
(
かねいがい
)
更
(
さら
)
に
知識
(
ちしき
)
が
必要
(
ひつよう
)
でありますから、
餘程
(
よほど
)
困難
(
こんなん
)
なことになります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
此両人の
説
(
せつ
)
をきゝしに
力
(
ちから
)
をつくせば一丈以上なるをも
織
(
おり
)
うべし、しかれども其
機工
(
きこう
)
容易
(
ようい
)
ならずといへり。平賀源内は織こと五六尺に
過
(
すぎ
)
ずと
火浣布考
(
くわくわんふかう
)
にいへり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
当時外国公使はいずれも横浜に
駐剳
(
ちゅうさつ
)
せしに、ロセツは各国人
環視
(
かんし
)
の中にては事を
謀
(
はか
)
るに
不便
(
ふべん
)
なるを認めたることならん、
病
(
やまい
)
と称し
飄然
(
ひょうぜん
)
熱海
(
あたみ
)
に去りて
容易
(
ようい
)
に帰らず
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
容易
(
ようい
)
に
胸隔
(
きようかく
)
を
開
(
ひら
)
かぬ
日本人
(
にほんじん
)
は
容易
(
ようい
)
に
胸隔
(
きようかく
)
を
閉
(
と
)
つる
日本人
(
にほんじん
)
に
候
(
そろ
)
、
失望
(
しつぼう
)
の
相
(
さう
)
ならざるなしと、
甞
(
かつ
)
て
内村
(
うちむら
)
先生申され
候
(
そろ
)
。
然
(
しか
)
り
小生
(
せうせい
)
も
日本人
(
にほんじん
)
に
候
(
そろ
)
拒
(
こば
)
まざるが
故
(
ゆゑ
)
に
此言
(
このげん
)
を
為
(
な
)
し
候
(
そろ
)
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
大層
(
たいそう
)
感心
(
かんしん
)
しまして
実
(
じつ
)
に
恐入
(
おそれい
)
つたものだ、
中々
(
なか/\
)
アヽ
云
(
い
)
ふ
処
(
ところ
)
は
商売人
(
しやうばいにん
)
だつて
容易
(
ようい
)
に
気
(
き
)
の
附
(
つ
)
くもんぢやアないと
云
(
い
)
ひました、
何卒
(
どうぞ
)
打出
(
はね
)
ましたら
些
(
ち
)
と三
階
(
がい
)
へ
入
(
い
)
らつしやいまして
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此坊
(
このばう
)
やの
生
(
うま
)
れて
來
(
こ
)
やうといふ
時分
(
じぶん
)
、まだ
私
(
わたし
)
は
雲霧
(
くもきり
)
につゝまれぬいて
居
(
ゐ
)
たのです、
生
(
うま
)
れてから
後
(
のち
)
も
容易
(
ようい
)
には
晴
(
は
)
れさうにもしなかつたのです、だけれども
可愛
(
かあい
)
い、いとしい
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
容易
(
ようい
)
に自分を零にできないことがある。それがためにわが運命の解決にまようほどの事なのだ。これはまだ大木に白状しない胸中の秘密で、いうまでもなくそれは恋だ。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
この某国大使館の、いろいろある始末機関をそれからそれへと動員して使ってみたが、どういうわけか、たった一人の博士を
片附
(
かたづ
)
けることは仲々
容易
(
ようい
)
に成功しなかった。
大使館の始末機関:――金博士シリーズ・7――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その
樣
(
やう
)
な
易
(
やす
)
い
書物
(
しよもつ
)
に
向
(
むか
)
つても
意味
(
いみ
)
が
容易
(
ようい
)
に
取
(
とれ
)
ない、
尤
(
もつと
)
も
唯
(
た
)
だ
直譯
(
ちよくやく
)
して
行
(
ゆ
)
く
時
(
とき
)
はどうか
解
(
わか
)
つて
居
(
ゐ
)
るらしいが、
後
(
あと
)
で
如何
(
どん
)
な
意味
(
いみ
)
かと
糺
(
たゞ
)
して
見
(
み
)
ると
殆
(
ほとん
)
ど
解
(
わか
)
つて
居
(
ゐ
)
ないやうである。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
「ええ、ひどい風ですよ。大きく口をあくと風が
僕
(
ぼく
)
のからだをまるで
麦酒瓶
(
ビールびん
)
のようにボウと鳴らして行くくらいですからね。わめくも歌うも
容易
(
ようい
)
のこっちゃありませんよ」
おきなぐさ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
肥
(
ふと
)
つたMM
氏
(
し
)
は
容易
(
ようい
)
に
起
(
た
)
たなかつたが、
勿論
(
もちろん
)
彼
(
かれ
)
にも
若々
(
わか/\
)
しい
愛嬌
(
あいけう
)
と
洒落気
(
しやれけ
)
は
失
(
う
)
せてゐなかつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
姉妹二人共にはつとした樣子だつた——驚愕したのでも
怯
(
おび
)
やかされたのでもなかつた。その報らせは彼等の眼には悲しい事といふよりは、寧ろ
容易
(
ようい
)
ならぬことらしかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
最初
(
さいしよ
)
から
多少
(
たせう
)
此
(
この
)
心配
(
しんぱい
)
の
無
(
な
)
いでもなかつたが、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
、
世
(
よ
)
に
珍
(
めづ
)
らしき
巨大
(
きよだい
)
の
魚
(
うを
)
の、
左樣
(
さう
)
容易
(
ようい
)
に
腐敗
(
ふはい
)
する
事
(
こと
)
もあるまいと
油斷
(
ゆだん
)
して
居
(
を
)
つたが、
其
(
その
)
五日目
(
いつかめ
)
の
朝
(
あさ
)
、
私
(
わたくし
)
はふとそれと
氣付
(
きづ
)
いた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
又
(
また
)
他
(
た
)
の
人
(
ひと
)
は
建築
(
けんちく
)
の
本義
(
ほんぎ
)
は「實」であると
云
(
い
)
ふかも
知
(
し
)
れぬ。
孰
(
いづ
)
れが
正
(
せい
)
で
孰
(
いづ
)
れが
邪
(
じや
)
であるかは
容易
(
ようい
)
に
分
(
わか
)
らない。
人
(
ひと
)
の
心理状態
(
しんりじやうたい
)
は
個々
(
こゝ
)
に
異
(
こと
)
なる、その
心理
(
しんり
)
は
境遇
(
きやうぐう
)
に
從
(
したが
)
て
移動
(
いどう
)
すべき
性質
(
せいしつ
)
を
有
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
る。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
固
(
もと
)
より一時の出來心や、
不圖
(
ふと
)
した
氣紛
(
きまぐれ
)
では無かツたのであるから、さて是れが
容易
(
ようい
)
に解決される問題で無い。第一
妻
(
つま
)
として
迎
(
むか
)
へ取るには餘りに身分の
懸隔
(
けんかく
)
がある。
家庭
(
かてい
)
は斷じて此の
結婚
(
けつこん
)
を
峻拒
(
しゆんきよ
)
する。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
この時も先に述べたる共和党の大会と同じく、
容易
(
ようい
)
に
逆上
(
ぎゃくじょう
)
せぬこの国民にして初めて言論の自由も思想の自由も
享有
(
きょうゆう
)
すべきものと思った。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
小路
(
こうぢ
)
の
泥濘
(
ぬかるみ
)
は
雨上
(
あめあが
)
りと
違
(
ちが
)
つて
一日
(
いちんち
)
や
二日
(
ふつか
)
では
容易
(
ようい
)
に
乾
(
かわ
)
かなかつた。
外
(
そと
)
から
靴
(
くつ
)
を
汚
(
よご
)
して
歸
(
かへ
)
つて
來
(
く
)
る
宗助
(
そうすけ
)
が、
御米
(
およね
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
るたびに
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「しかし、いまの戦国
多端
(
たたん
)
のときに、二、三百の兵を四日にあつめてくるのは
容易
(
ようい
)
でないこと。龍太郎、それはまちがいないことか……」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
只
(
たゞ
)
響
(
ひゞき
)
を
立
(
た
)
てながら
容易
(
ようい
)
に
冷
(
さ
)
めぬ
熱
(
あつ
)
い
茶碗
(
ちやわん
)
を
啜
(
すゝ
)
つた。おつぎも
幾年
(
いくねん
)
か
逢
(
あ
)
はぬ
伯母
(
をば
)
の
人
(
ひと
)
なづこい
樣
(
やう
)
で
理由
(
わけ
)
の
分
(
わか
)
らぬ
樣
(
やう
)
な
容子
(
ようす
)
を
偸
(
ぬす
)
み
視
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
幸三
(
こうぞう
)
は、そこにあった
重
(
おも
)
い
鉄板
(
てっぱん
)
に
両手
(
りょうて
)
をかけました。しかし、それは、
容易
(
ようい
)
に
持
(
も
)
ち
上
(
あ
)
げることすらできないほど、
重
(
おも
)
かったのでありました。
新しい町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
口
(
くち
)
でそういわれても、
勝手
(
かって
)
を
知
(
し
)
らない
暗
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
では、
手探
(
てさぐ
)
りも
容易
(
ようい
)
でなく、
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
は
破
(
やぶ
)
れ
畳
(
たたみ
)
の
上
(
うえ
)
を、
小気味悪
(
こきみわる
)
く
這
(
は
)
い
廻
(
まわ
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
『ナニ、
少
(
ちつ
)
とばかりは
進上
(
あげ
)
られないッて』と
帽子屋
(
ばうしや
)
が
云
(
い
)
つて、『
何
(
なん
)
にも
無
(
な
)
いのを
呉
(
く
)
れるのは
難
(
むづか
)
しいけど、
澤山
(
たくさん
)
有
(
あ
)
るのを
呉
(
く
)
れるのは
容易
(
ようい
)
なことだ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「相手は何分
容易
(
ようい
)
の者ぢやない。私が見張つて居たところで、
防
(
ふせ
)
ぎやうはないかも知れませんよ。それを承知なら一日お邪魔をさせて頂きませう」
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、
肝腎
(
かんじん
)
の天神様へは
容易
(
ようい
)
に出ることも出来なかつた。すると道ばたに女の子が
一人
(
ひとり
)
メリンスの
袂
(
たもと
)
を
翻
(
ひるがへ
)
しながら、
傍若無人
(
ばうじやくぶじん
)
にゴム
毬
(
まり
)
をついてゐた。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これは
単
(
たん
)
なる
偶然
(
ぐうぜん
)
か、それとも
幽冥
(
ゆうめい
)
の
世界
(
せかい
)
からのとりなしか、
神
(
かみ
)
ならぬ
身
(
み
)
には
容易
(
ようい
)
に
判断
(
はんだん
)
し
得
(
う
)
る
限
(
かぎ
)
りではありません。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
安く送らん事
最々
(
いと/\
)
容易
(
ようい
)
の
業
(
わざ
)
ながら忠相ぬしつら/\
渠
(
かれ
)
を見るに
貴介
(
きかい
)
公子
(
こうし
)
の
落胤
(
らくいん
)
に
似氣
(
にげ
)
なく
奸佞
(
かんねい
)
面に顯れ居れば
意
(
こゝろ
)
許
(
ゆる
)
せぬ
曲者
(
くせもの
)
なりと夫が
成立
(
なりたち
)
よりの事柄を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
緩
(
ゆる
)
く
働
(
はたら
)
く
力
(
ちから
)
に
對
(
たい
)
しては
容易
(
ようい
)
に
形
(
かたち
)
を
變
(
か
)
へ、
力
(
ちから
)
の
働
(
はたら
)
くまゝになること、
食用
(
しよくよう
)
の
飴
(
あめ
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
させるようなものである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
此両人の
説
(
せつ
)
をきゝしに
力
(
ちから
)
をつくせば一丈以上なるをも
織
(
おり
)
うべし、しかれども其
機工
(
きこう
)
容易
(
ようい
)
ならずといへり。平賀源内は織こと五六尺に
過
(
すぎ
)
ずと
火浣布考
(
くわくわんふかう
)
にいへり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
政府はほとんど全国の兵を
挙
(
あ
)
げ、
加
(
くわ
)
うるに文明
精巧
(
せいこう
)
の
兵器
(
へいき
)
を以てして
尚
(
な
)
お
容易
(
ようい
)
にこれを
鎮圧
(
ちんあつ
)
するを得ず、
攻城
(
こうじょう
)
野戦
(
やせん
)
凡
(
およ
)
そ八箇月、わずかに
平定
(
へいてい
)
の
功
(
こう
)
を
奏
(
そう
)
したれども
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
その
下
(
した
)
に
石器時代
(
せつきじだい
)
のものがあるのですから
容易
(
ようい
)
に
調
(
しら
)
べがつかず、
今日
(
こんにち
)
までよく
知
(
し
)
られてをりません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
容
常用漢字
小5
部首:⼧
10画
易
常用漢字
小5
部首:⽇
8画
“容”で始まる語句
容
容貌
容子
容色
容赦
容姿
容喙
容体
容態
容器