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容易
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やうゐ
皆之を
押臥し其上に木葉或は
席を
布きて臥床となす、炉を
焚かんとするに
枯木殆どなし、立木を
伐倒して之を
燻ふ、火
容易に
移らず、
寒気と
空腹を
忍ぶの困難亦甚しと云ふべし
加ふるに寒肌
粟を生じ沼気
沸々鼻を
衝く、
幸ひに前日来
身躰を
鍛錬せしが為め
瘧疫に
罹るものなかりき、沼岸の
屈曲出入は
実に犬牙の如く、之に
沿うて
渉ることなれば
進退容易に
捗取らず
水源
竭きて
進行漸やく
容易となる、六千四百呎の高に
達すれば前日来
経過し来れる所、
歴々眼眸に
入り、利根河の
流域に属する藤原村の深山幽谷、
丸で地図中の物となり、其山の
広袤水の長程