“擦(さつ)” の例文
一研(けん)一擦(さつ)、三深(しん)九浅(せん)、緊々(きんきん)縮々(しゅくしゅく)、などという表字法にみても、別してこの裴如海(はいにょかい)ひとりがそう傑出した色坊主であったわけでもあるまい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今神仙の噫気(あいき)を秘蔵するか、かゝる明夜に、靉靆(あいたい)として立ち昇る白気こそあれ、何物たるかを端知せむと欲して、袖庇(しうひ)に耐風マッチを擦(さつ)するも、全く用を成さず、試に拳石を転ずるに
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
雲は寄る寄る崖(がけ)を噛(か)んで、刎(は)ね返されたる倒波(ローラア)の如きあり、その下層地平線に触(ふ)れて、波長を減じたるため、上層と擦(さつ)して白波(サアフ)の泡(あは)立つごときあり、之(これ)を照らすにかの晃々(くわう/\)たる大月あり
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)