“颯然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さつぜん84.6%
さつ15.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
荒天の雲のように、不安と勝気と、また焦躁と剛胆とが、去来きょらいしぬいていた風である。が、颯然さつぜんとその心は窓が開いた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たかうすびょうの矢が一筋、颯然さつぜんと風を切りながら、ひとゆりゆって後頭部へ、ぐさと箆深のぶかく立ったからである。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
颯然さつと二の腕を捲ると、生白い肌が現出れて酒氣を帶びた頬が薄赤い。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
この日も驟雨的の雨が颯然さつと降りそゝいだ。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)