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察
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さつ
ふりがな文庫
“
察
(
さつ
)” の例文
婦人
(
ふじん
)
の
驚駭
(
きやうがい
)
は
蓋
(
けだ
)
し
察
(
さつ
)
するに
餘
(
あま
)
りある。
卓
(
たく
)
を
隔
(
へだ
)
てて
差向
(
さしむか
)
ひにでも
逢
(
あ
)
ふ
事
(
こと
)
か、
椅子
(
いす
)
を
並
(
なら
)
べて、
肩
(
かた
)
を
合
(
あ
)
はせて
居
(
ゐ
)
るのであるから、
股栗不能聲
(
こりつしてこゑするあたはず
)
。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
〔評〕三條公の筑前に在る、或る人其の
旅況
(
りよきやう
)
の
無聊
(
むれう
)
を
察
(
さつ
)
して美女を進む、公之を
卻
(
しりぞ
)
く。某氏
宴
(
えん
)
を
開
(
ひら
)
いて女
樂
(
がく
)
を
設
(
まう
)
く、公
怫
(
ふつ
)
然として去れり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
いつまでも仲よくお遊びよと
云
(
い
)
つて
呉
(
く
)
れた事がある———自分の苦痛の
何物
(
なにもの
)
たるかを
能
(
よ
)
く
察
(
さつ
)
して同情して
呉
(
く
)
れるであらう。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
とうていかような
爲事
(
しごと
)
は
出來
(
でき
)
ますまいから、この
大工事
(
だいこうじ
)
の
遺物
(
いぶつ
)
を
見
(
み
)
たゞけでも、
當時
(
とうじ
)
の
社會状態
(
しやかいじようたい
)
が
察
(
さつ
)
することが
出來
(
でき
)
ます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
一日
(
いちにち
)
も
速
(
すみや
)
かに
日本
(
につぽん
)
へ
皈
(
かへ
)
りたいのは
山々
(
やま/\
)
だが、
前後
(
ぜんご
)
の
事情
(
じじやう
)
を
察
(
さつ
)
すると、
今
(
いま
)
此人
(
このひと
)
に
向
(
むか
)
つて、
其樣
(
そん
)
な
我儘
(
わがまゝ
)
は
言
(
い
)
はれぬのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
盜
(
ぬす
)
み出し候
故
(
ゆゑ
)
扨
(
さて
)
は渠等兩人も主人の
惡意
(
あくい
)
を
察
(
さつ
)
しけれるにや兄弟を
盜
(
ぬす
)
み出しうへ
訴
(
うつた
)
へ出る
存念
(
ぞんねん
)
と心付南無三寶是は
逸
(
はや
)
りたることをなし
公邊
(
かみ
)
へ御苦勞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
で
御座
(
ござ
)
いますけれど
私
(
わたし
)
に
其時
(
そのとき
)
自分
(
じぶん
)
を
省
(
かへりみ
)
る
考
(
かんが
)
へは
出
(
で
)
ませぬゆゑ、
良人
(
をつと
)
のこゝろを
察
(
さつ
)
する
事
(
こと
)
は
出來
(
でき
)
ませぬ、
厭
(
いや
)
な
顏
(
かほ
)
を
遊
(
あそ
)
ばせば、それが
直
(
す
)
ぐ
氣
(
き
)
に
障
(
さは
)
りまするし
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
勇吉が『お茶の水邊』と言つたと聞いて、大方事件の落着きを
察
(
さつ
)
した平次は、駕籠と自分の足とを存分に働かせて、危機一髮の場合に間に合つたのでした。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それに
大概
(
たいがい
)
腕
(
うで
)
よりもより
以上
(
いじやう
)
に
口
(
くち
)
の
達者
(
たつしや
)
な
面面
(
めんめん
)
が
多
(
おほ
)
いのだからその
騷々
(
さう/″\
)
しさも
以
(
もつ
)
て
察
(
さつ
)
すべきである。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
夫
(
それ
)
が、
何
(
ど
)
う云ふ具合か急に
揺
(
うご
)
き
出
(
だ
)
した。代助は之を生理上の変化から起るのだらうと
察
(
さつ
)
した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わたくし
)
は
决
(
けつ
)
して
君
(
きみ
)
に
對
(
たい
)
して
立腹
(
りつぷく
)
は
致
(
いた
)
さんので、
病氣
(
びやうき
)
なれば
據無
(
よんどころな
)
いのです、お
察
(
さつ
)
し
申
(
もを
)
すですよ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
おふさが私のところへ來てゐることが母親の方へ知れてからは、絶えず手紙で以てしつつこく責められて、一ん日も延び/\した心持がしないらしいといふことは私も
察
(
さつ
)
してゐた。
金魚
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
故
(
ゆゑ
)
に
主
(
しゆ
)
に
愛
(
あい
)
せらるれば
則
(
すなは
)
ち
知
(
ち
)
當
(
あた
)
りて
親
(
しん
)
を
加
(
くは
)
へ、
主
(
しゆ
)
に
憎
(
にく
)
まるれば
則
(
すなは
)
ち
(一一〇)
罪
(
つみ
)
當
(
あた
)
りて
疏
(
そ
)
を
加
(
くは
)
ふ。
故
(
ゆゑ
)
に
諫説
(
かんぜい
)
の
士
(
し
)
は、
(一一一)
愛憎
(
あいぞう
)
の
主
(
しゆ
)
を
察
(
さつ
)
して
而
(
しか
)
る
後
(
のち
)
之
(
これ
)
に
説
(
と
)
かざる
可
(
べ
)
からざるなり。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
また
有珠山
(
うすさん
)
の
明治四十三年
(
めいじしじゆうさんねん
)
の
噴火
(
ふんか
)
は
數日前
(
すうじつぜん
)
から
地震
(
ぢしん
)
を
先發
(
せんぱつ
)
せしめたので、
時
(
とき
)
の
室蘭警察署長
(
むろらんけいさつしよちよう
)
飯田警視
(
いひだけいし
)
が
爆發
(
ばくはつ
)
を
未然
(
みぜん
)
に
察
(
さつ
)
し、
機宜
(
きゞ
)
に
適
(
てき
)
する
保安上
(
ほあんじよう
)
の
手段
(
しゆだん
)
を
取
(
と
)
つたことは
特筆
(
とくひつ
)
すべき
事柄
(
ことがら
)
である。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
早朝
(
さうてう
)
出立、
尾瀬
(
おせ
)
の大原野を
経過
(
けいくわ
)
し燧山麓に
至
(
いた
)
る、目的とする所の尾瀬沼は
眼眸
(
がんばう
)
に
入
(
い
)
り来らず、燧山麓一帯の山脈
横
(
よこた
)
はれるを以て、之を
経過
(
けいくわ
)
すれば沼に
到
(
いた
)
るを
得
(
う
)
るならんと
察
(
さつ
)
し、又険山を
攀登
(
ばんとう
)
す
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
之を用ゐしは
男子
(
だんし
)
ならん。そは此所に
述
(
の
)
べたる如き面貌の土偶は
乳房
(
ちぶさ
)
の部の膨れ方
甚
(
はなはだ
)
少
(
すくな
)
きを以て
察
(
さつ
)
すべし。光線反射の眼に害有る
男女
(
なんによ
)
に從つて差有るの
理
(
り
)
無
(
な
)
し。女子は
如何
(
いか
)
にして眼を
保護
(
ほご
)
せしや。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
あゝ、
不吉
(
ふきつ
)
の
上
(
うへ
)
にも
不吉
(
ふきつ
)
。
賓人
(
まれびと
)
よ、
私
(
わたくし
)
の
心
(
こゝろ
)
の
千分
(
せんぶん
)
の
一
(
いち
)
でもお
察
(
さつ
)
しになつたら、どうか
奧樣
(
おくさま
)
と
日出雄樣
(
ひでをさま
)
を
助
(
たす
)
けると
思
(
おも
)
つて、
今夜
(
こんや
)
の
御出帆
(
ごしゆつぱん
)
をお
延
(
の
)
べ
下
(
くだ
)
さい。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
合點
(
がてん
)
がいつたら
何事
(
なにごと
)
も
胸
(
むね
)
に
納
(
おさ
)
めて、
知
(
し
)
らぬ
顏
(
かほ
)
に
今夜
(
こんや
)
は
歸
(
かへ
)
つて、
今
(
いま
)
まで
通
(
どほ
)
りつゝつしんで
世
(
よ
)
を
送
(
おく
)
つて
呉
(
く
)
れ、お
前
(
まへ
)
が
口
(
くち
)
に
出
(
だ
)
さんとても
親
(
おや
)
も
察
(
さつ
)
しる
弟
(
おとゝ
)
も
察
(
さつ
)
しる
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
久八は
疾
(
とく
)
に
察
(
さつ
)
し何事も
心切
(
しんせつ
)
を盡し内々にて
小遣錢
(
こづかひぜに
)
迄も與へ
陰
(
かげ
)
になり
日向
(
ひなた
)
になり心配して
呉
(
くれ
)
けるゆゑ久八が
忠々
(
まめ/\
)
敷心に
愛
(
めで
)
て千太郎は奉公に來し心にて
辛抱
(
しんばう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
察
(
さつ
)
せずして
是
(
これ
)
を
謂
(
い
)
ふ、いづれも
世道
(
せだう
)
に
執着
(
しうぢやく
)
して、
其
(
そ
)
の
眞相
(
しんさう
)
を
過
(
あやま
)
つなり。
聞
(
き
)
く、
爰
(
こゝ
)
に
記
(
しる
)
すものは
皆
(
みな
)
事實
(
じじつ
)
なりと。
怪談会 序
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
大概
(
たいがい
)
察
(
さつ
)
して居た積りだ、——それが到頭歸つて來なかつた。お前さんの彫物を洗ひに行つた二代目勘兵衞さんは、又六の弟子共に袋叩きにされて死んで了つたのだよ」
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其頬
(
そのほゝ
)
の
紅色
(
べにいろ
)
や、
瘠方
(
やせかた
)
で
察
(
さつ
)
するに
彼
(
かれ
)
にはもう
肺病
(
はいびやう
)
の
初期
(
しよき
)
が
萠
(
き
)
ざしてゐるのであらう。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
その度毎に明
暗
(
あん
)
、
悲喜
(
ひき
)
こもごも
至
(
いた
)
る二人の
顏
(
かほ
)
附たるやお
察
(
さつ
)
しに任せる次第だ。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
今や時勢一
變
(
ぺん
)
して
舊規
(
きうき
)
を
墨守
(
ぼくしゆ
)
す可らず、宜しく政
權
(
けん
)
を王室に還し、以て萬國
竝立
(
へいりつ
)
の
基礎
(
きそ
)
を建つべし。其れ則ち當今の
急務
(
きふむ
)
にして、而て容堂の
至願
(
しぐわん
)
なり。
幕
(
ばく
)
下の
賢
(
けん
)
なる、必之を
察
(
さつ
)
するあらんと。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
然
(
しか
)
るに、
大佐
(
たいさ
)
の
言葉
(
ことば
)
と、
其
(
その
)
顏色
(
かほいろ
)
とで
察
(
さつ
)
すると、
其
(
その
)
心痛
(
しんつう
)
の
源
(
みなもと
)
は
何
(
な
)
んでも
其處
(
そこ
)
に
起
(
おこ
)
つたらしい、
私
(
わたくし
)
は
急
(
いそ
)
ぎ
言
(
げん
)
をつゞけた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
靜
(
しづ
)
め夫は年の頃はいくつ位に候や我が村中に彌太八といふ者なければ我頼みし
覺
(
おぼえ
)
なし
察
(
さつ
)
する所前日の惡者の仲間を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶり
)
でお
目
(
め
)
にかゝつて
何
(
なに
)
か
申
(
まをし
)
たい
事
(
こと
)
は
澤山
(
たんと
)
あるやうなれど
口
(
くち
)
へ
出
(
で
)
ませぬは
察
(
さつ
)
して
下
(
くだ
)
され、では
私
(
わたし
)
は
御別
(
おわか
)
れに
致
(
いた
)
します、
隨分
(
ずいぶん
)
からだを
厭
(
いと
)
ふて
煩
(
わづ
)
らはぬ
樣
(
やう
)
に
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
棄
(
す
)
てゝ
行
(
ゆ
)
くには
忍
(
しの
)
びぬけれども、
鎭守府
(
ちんじゆふ
)
の
旦那樣
(
だんなさま
)
が、
呼吸
(
いき
)
のある
内
(
うち
)
一目
(
ひとめ
)
逢
(
あ
)
ひたい、
私
(
わたし
)
の
心
(
こゝろ
)
は
察
(
さつ
)
しておくれ、とかういふ
間
(
ま
)
も
心
(
こゝろ
)
は
急
(
せ
)
く、
峠
(
たうげ
)
は
前
(
まへ
)
に
控
(
ひか
)
へて
居
(
ゐ
)
るし、
爺
(
ぢい
)
や!
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「へエ、お
察
(
さつ
)
しの通りで、私は遠州樣には、先々代樣から三十年も
御厄介
(
ごやくかい
)
になつて居ります。みす/\御主人夫婦が惡者の手に掛つて
亡
(
な
)
くなられたのを知りながら默つちや居られません」
銭形平次捕物控:032 路地の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
貧乏
(
びんぼう
)
なればこそ
蜆
(
しゞみ
)
を
擔
(
かつ
)
がせて、
此寒空
(
このさむそら
)
に
小
(
ちい
)
さな
足
(
あし
)
に
草鞋
(
わらじ
)
をはかせる
親心
(
おやこゝろ
)
、
察
(
さつ
)
して
下
(
くだ
)
されとて
伯母
(
おば
)
も
涙
(
なみだ
)
なり。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
(
こ
)
の
備中
(
びつちう
)
、
一時
(
あるとき
)
越前
(
ゑちぜん
)
の
領土巡検
(
りやうどじゆんけん
)
の
役
(
やく
)
を、
主人
(
しゆじん
)
義景
(
よしかげ
)
より
承
(
うけたまは
)
り、
供方
(
ともかた
)
二十
人
(
にん
)
ばかりを
連
(
つ
)
れて、
領分
(
りやうぶん
)
の
民
(
たみ
)
の
状態
(
じやうたい
)
を
察
(
さつ
)
せんため、
名
(
な
)
だゝる
越前
(
ゑちぜん
)
の
大川
(
おほかは
)
、
足羽川
(
あすはがは
)
のほとりにかゝる。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
最初惡人に
引摺
(
ひきず
)
られたが、美しい奧方と一緒に居るうち、本當に惡い望みを起して、奧方に無禮なことをしたのさ——、
末期
(
まつご
)
の苦しい息の下から、奧方の方を拜んだと聽いて俺は
大方
(
おほかた
)
察
(
さつ
)
したよ。
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
八重
(
やへ
)
察
(
さつ
)
して
進
(
すゝ
)
めつゝ
取
(
とり
)
まかなひて
封
(
ふう
)
を
切
(
き
)
らすに
文
(
ふみ
)
にはあらで
一枚
(
ひとひら
)
の
短冊
(
たんざく
)
なりけり
兩女
(
ふたり
)
ひとしく
見
(
み
)
る
雲形
(
くもがた
)
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と、
客
(
きやく
)
が
妙
(
めう
)
な
顏
(
かほ
)
をして、これを
眺
(
なが
)
めて、
察
(
さつ
)
したと
見
(
み
)
えて
噴出
(
ふきだ
)
して、「
火
(
ひ
)
の
事
(
こと
)
だよ/\。」と
言
(
い
)
ふ。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
察
(
さつ
)
して
下
(
くだ
)
さりませ
私
(
わたくし
)
は
今日
(
けふ
)
まで
遂
(
つ
)
ひに
原田
(
はらだ
)
の
身
(
み
)
に
就
(
つ
)
いて
御耳
(
おみゝ
)
に
入
(
い
)
れました
事
(
こと
)
もなく、
勇
(
いさむ
)
と
私
(
わたし
)
との
中
(
なか
)
を
人
(
ひと
)
に
言
(
い
)
ふた
事
(
こと
)
は
御座
(
ござ
)
りませぬけれど、
千度
(
ちたび
)
も
百度
(
もゝたび
)
も
考
(
かんが
)
へ
直
(
なほ
)
して
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
えゝ、お
姫様
(
ひいさま
)
の!
何
(
ど
)
うやら
今
(
いま
)
までの
乞目
(
こひめ
)
では、
一度
(
いちど
)
に
一年
(
いちねん
)
も
懸
(
かゝ
)
りさうぢや。お
庇
(
かげ
)
と
私等
(
わしら
)
は
飢
(
ひもじ
)
うも、だるうも
無
(
な
)
けれど、
肝心
(
かんじん
)
助
(
たす
)
け
取
(
と
)
らうと
云
(
い
)
ふ、
奥様
(
おくさま
)
の
身
(
み
)
をお
察
(
さつ
)
しやれ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
目
(
め
)
に
見
(
み
)
えぬ
繩
(
なは
)
につながれて
引
(
ひ
)
かれてゆくやうな
我
(
わ
)
れをば、あなたは
眞
(
しん
)
の
處
(
ところ
)
何
(
なに
)
とも
思
(
おも
)
ふてくれねば、
勝手
(
かつて
)
にしろといふ
風
(
ふう
)
で
我
(
わ
)
れの
事
(
こと
)
とては
少
(
すこ
)
しも
察
(
さつ
)
してくれる
樣子
(
やうす
)
が
見
(
み
)
えぬ
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
立後
(
たちおく
)
れたのを
歩行悩
(
あるきなや
)
んだと
察
(
さつ
)
した
様子
(
やうす
)
、
何
(
なに
)
が
扨
(
さて
)
転
(
ころ
)
げ
落
(
お
)
ちても
早
(
はや
)
く
行
(
い
)
つて
蛭
(
ひる
)
の
垢
(
あか
)
を
落
(
おと
)
したさ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
貴君
(
あなた
)
は
私
(
わたし
)
に
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
があるだらうと
察
(
さつ
)
して
居
(
ゐ
)
て
下
(
くだ
)
さるから
嬉
(
うれ
)
しいけれど、よもや
私
(
わたし
)
が
何
(
なに
)
をおもふか
夫
(
そ
)
れこそはお
分
(
わか
)
りに
成
(
な
)
りますまい、
考
(
かんが
)
へたとて
仕方
(
しかた
)
がない
故
(
ゆゑ
)
人前
(
ひとまへ
)
ばかりの
大陽氣
(
おほようき
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
傳
(
つた
)
ふる
處
(
ところ
)
の
怪異
(
くわいい
)
の
書
(
しよ
)
、
多
(
おほ
)
くは
徳育
(
とくいく
)
のために、
訓戒
(
くんかい
)
のために、
寓意
(
ぐうい
)
を
談
(
だん
)
じて、
勸懲
(
くわんちやう
)
の
資
(
し
)
となすに
過
(
す
)
ぎず。
蓋
(
けだ
)
し
教
(
をしへ
)
のために、
彼
(
か
)
の
鬼神
(
きしん
)
を
煩
(
わづ
)
らはすもの
也
(
なり
)
。
人意
(
じんい
)
焉
(
いづくん
)
ぞ
鬼神
(
きしん
)
の
好惡
(
かうを
)
を
察
(
さつ
)
し
得
(
え
)
むや。
怪談会 序
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なに
)
より
先
(
さき
)
に
私
(
わたし
)
が
身
(
み
)
の
自墮落
(
じだらく
)
を
承知
(
しやうち
)
して
居
(
ゐ
)
て
下
(
くだ
)
され、もとより
箱入
(
はこい
)
りの
生娘
(
きむすめ
)
ならねば
少
(
すこ
)
しは
察
(
さつ
)
しても
居
(
ゐ
)
て
下
(
くだ
)
さろうが、
口奇麗
(
くちぎれい
)
な
事
(
こと
)
はいひますとも
此
(
この
)
あたりの
人
(
ひと
)
に
泥
(
どろ
)
の
中
(
なか
)
の
蓮
(
はす
)
とやら
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
こゝはお
察
(
さつ
)
しを
願
(
ねが
)
ひます。——
心易
(
こゝろやす
)
くは
禮手紙
(
れいてがみ
)
、たゞ
音信
(
おとづれ
)
さへ
出來
(
でき
)
ますまい。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
呼
(
よ
)
ばずて
光氏
(
みつうぢ
)
さまといふとかやお
姿
(
すがた
)
は
察
(
さつ
)
せよかし
夫
(
それ
)
に
引
(
ひ
)
かれてゞは
無
(
な
)
けれど
彼
(
か
)
の
人
(
ひと
)
は
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御側
(
おそば
)
の
面々
(
めん/\
)
鳥籠
(
とりかご
)
をぐるりと
取卷
(
とりま
)
き、「
御難澁
(
ごなんじふ
)
のほど
察
(
さつ
)
し
入
(
い
)
る、さて/\
御氣
(
おき
)
の
毒
(
どく
)
のいたり」と
慰
(
なぐさ
)
むるもあり、また、「これも
御奉公
(
ごほうこう
)
なれば
怠懈
(
おこたり
)
無
(
な
)
く
御勤
(
おつとめ
)
あるべし、
上
(
かみ
)
の
御慰
(
おんなぐさみ
)
にならるゝばかり、 ...
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
察
(
さつ
)
しあれ、
知己
(
ちき
)
の
方々
(
かた/″\
)
。——
私
(
わたし
)
は
下駄
(
げた
)
を
引
(
ひき
)
ずつて
横飛
(
よこと
)
びに
逃出
(
にげだ
)
した。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ちつと
察
(
さつ
)
して
下
(
くだ
)
されといふに
成程
(
なるほど
)
/\とて
結城
(
ゆふき
)
は二
言
(
ごん
)
といはざりき。
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
言
(
い
)
ふまでもなく、
宵
(
よひ
)
のうちは、いつもの
釣
(
つり
)
だと
察
(
さつ
)
して
居
(
ゐ
)
た。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
見捨
(
みす
)
てゝ
行
(
ゆ
)
く
情
(
じやう
)
なしがお
前
(
まへ
)
は
好
(
す
)
きか
憐
(
あは
)
れといへば
深山
(
みやま
)
がくれの
花
(
はな
)
の
心
(
こゝろ
)
が
嘸
(
さぞ
)
かしと
察
(
さつ
)
しられる
世
(
よ
)
にも
知
(
し
)
られず
人
(
ひと
)
にも
知
(
し
)
られず
咲
(
さき
)
て
散
(
ち
)
るが
本意
(
ほんい
)
であらうか
同
(
おな
)
じ
嵐
(
あらし
)
に
誘
(
さそ
)
はれても
思
(
おも
)
ふ
人
(
ひと
)
の
宿
(
やど
)
に
咲
(
さ
)
きて
思
(
おも
)
ふ
人
(
ひと
)
に
思
(
おも
)
はれたら
散
(
ち
)
るとも
恨
(
うら
)
みは
有
(
あ
)
るまいもの
谷間
(
たにま
)
の
水
(
みづ
)
の
便
(
たよ
)
りがなくは
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
處
(
ところ
)
が
不可
(
いけ
)
ないのでございます。お
察
(
さつ
)
し
下
(
くだ
)
さいまし。……
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
又
(
また
)
逢
(
あ
)
ふ
場所
(
ばしよ
)
は
某
(
それ
)
の
辻
(
つじ
)
某
(
それ
)
の
處
(
ところ
)
に
待給
(
まちたま
)
へ
必
(
かな
)
らずよと
契
(
ちぎ
)
りて
別
(
わか
)
れし
其夜
(
そのよ
)
のこと
誰
(
た
)
れ
知
(
し
)
るべきならねば
心安
(
こゝろやす
)
けれど
心安
(
こゝろやす
)
からぬは
松澤
(
まつざは
)
が
今
(
いま
)
の
境涯
(
きやうがい
)
あらましは
察
(
さつ
)
しても
居
(
ゐ
)
たものゝそれ
程
(
ほど
)
までとは
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らざりしが
其御難儀
(
そのごなんぎ
)
も
誰
(
たれ
)
がせし
業
(
わざ
)
ならず
勿躰
(
もつたい
)
なけれど
我
(
わ
)
が
親
(
おや
)
うらみなり
聞
(
き
)
かれぬまでも
諫
(
いさ
)
めて
見
(
み
)
んか
否
(
いな
)
父
(
ちゝ
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
察
常用漢字
小4
部首:⼧
14画
“察”を含む語句
洞察
警察
推察
診察
観察
觀察
按察
諒察
検察官
御察
偵察
按察使
洞察力
省察
視察
検察
御諒察
警察署
警察署長
立合診察
...