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御難澁
御側の
面々鳥籠をぐるりと
取卷き、「
御難澁のほど
察し
入る、さて/\
御氣の
毒のいたり」と
慰むるもあり、また、「これも
御奉公なれば
怠懈無く
御勤あるべし、
上の
御慰にならるゝばかり、 ...
雪こそふれ
夜はまだそれほどに
御座りませねばと
歸り
支度とゝのへるにそれならば
誰ぞ
供にお
連なされお
歩行御迷惑ながら
此邊には
車鳥渡むづかしからん
大通り
近くまで
御難澁なるべし
家内にてすら
火桶少しも
放されぬに
夜氣に
當つてお
風めすな
失禮も
何もなしこゝより
直にお
頭巾召せ
誰れぞお
肩掛お
着せ
申せと
總掛りに
支度手傳は