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此寒空
貧乏なればこそ
蜆を
擔がせて、
此寒空に
小さな
足に
草鞋をはかせる
親心、
察して
下されとて
伯母も
涙なり。
可哀や我故
身形も
構はず
此寒空に
袷一ツ寒き樣子は見せねども此頃は苦勞の故か
面痩も見えて
一入不便に思ふなり今宵は
何方へ行しにや最早
初更近きに
戻り
來ねば晝は身
形の
窶然く金の
才覺にも出
歩行れぬ故夜に入て才覺に出行しか女の夜道は
不用心若惡者に
出會はぬか
提灯は持ち行しか是と云も皆我が身の
在故なり
生甲斐もなき身を