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乞目
えゝ、お
姫様の!
何うやら
今までの
乞目では、
一度に
一年も
懸りさうぢや。お
庇と
私等は
飢うも、だるうも
無けれど、
肝心助け
取らうと
云ふ、
奥様の
身をお
察しやれ。
……
雲、
花片の
数を
算めば、
思ふまゝの
乞目が
出て、
双六に
勝てたのに、……
唯一刻を
争ふて、
焦つてお
悶へ
遊ばすから、
危いとは
思ひながら、
我儘おつしやる
可愛らしさに、
謹慎もつひ
忘れ
「
何を、
切ればと
言ふて
早や
今は……
乞目!」