“乞食体”の読み方と例文
読み方割合
こじきてい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
振り返って見ると、同じ欄干にもたれた、乞食体こじきていの中年の男、鳴海なるみ司郎の顔を下から見上げて、こう丁寧に申します。
悪人の娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
その火は周囲三尺くらいの焚火たきびらしく見ゆるほどに、なにものならんと抜き足差し足にていよいよ近寄って見れば、こはいかに、乞食体こじきていの老人がこもをまとい、秋の夜寒にたえやらで
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
権堂と呼ばれた乞食体こじきていの男は、橋の上へ、ヘタヘタと坐ると、その上へ美しい娘の土岐子は、崩折くずおれた芙蓉ふようの花のように、気をうしなって倒れてしまいました。
悪人の娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)