さつ)” の例文
半年ばかりたつ何者なにものとも知れず、はかあばいて石をぬすさつたものがある。子は手掛てがかりがないのでふことも出來ず其まゝにして二三日たつた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
しかれどもさつて吉野の物さびたる造化の深き峰のあたりに見るに、其美、其妙、塵垢に近き墨坨のほかに勝る事幾倍なるを知るべし。
吾人をしてさつて文芸上に於ける生命の動機を論ぜしめよ。
内部生命論 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)