まだあの時のひそかな感動は、消されないでゐます。小正月を控へた残雪の山の急斜面、青い麦の葉生えをそよがしてゐた微風、目ざす夜祭りの村への距離を遠く感じさせる笛の響き、其後幾度とも知れぬほど、私どもの花祭りにあひに出かける心の底には、此記憶が …
著者 | 折口信夫 |
ジャンル | 社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 年中行事・祭礼 |
初出 | 「民俗芸術 第三巻第三号」1930(昭和5)年3月 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約49分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約1時間22分(300文字/分) |