シメ)” の例文
神のシメさしたものとするのであるが、尚其ばかりではうつかり見外される虞れのある処から、特別の工夫が積まれてゐるので、此処にだしの話の緒口イトグチはついたのである。
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
かうした神のシメ野を犯す事を忌むことの影響もある。其に今一つ考へられるのは、木を伐り出す時の「山口祭り」の様に、野を占めて焼く時の呪詞があつたらうといふ事だ。
シロの幣束なる幣が、神の依りタヽニハシルシとなり、次いでは、人或は神自身が、神占有の物と定めたシメともなり、又更に、神の象徴とさへ考へられる様になつたのである。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)