“うつつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウツツ
語句割合
96.1%
現実2.6%
幻覚0.4%
精神0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は今でもうつつながら不思議に思う。昼は見えない。逢魔おうまが時からはおぼろにもあらずしてわかる。が、夜の裏木戸は小児心こどもごころにも遠慮される。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いえ! ……今こそ現実うつつ……その後は闇! ……闇の墓場で、墓場の蔭で……あなた様のご出世見守りまする! ……お吉は死にます……ホ、本望! ……
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
うつくしき人が、うつくしき眠りについて、その眠りから、さめる暇もなく、幻覚うつつのままで、この世の呼吸いきを引き取るときに、枕元にやまいまもるわれらの心はさぞつらいだろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
北千住きたせんじゅうに今も有るんとか云う小間物屋の以前もと営業しょうばいは寄席であったが、亭主が或る娼妓しょうぎ精神うつつをぬかし、子まである本妻を虐待ぎゃくたいして死に至らしめた、その怨念が残ったのか
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
駭然がいぜんとして夢かうつつ狐子こしへんせらるるなからむやと思えども、なお勇気をふるいてすすむに、答えし男急にびとめて、いずかたへ行くやと云う。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)