“現実(うつつ)” の例文
旧字:現實
王さま、あちらにまいりましょう、今夜(こよい)は夢でございます、明日(あす)が待っております、明日(あす)になれば、夢が現実(うつつ)となりましょう。
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
いえ! ……今こそ現実(うつつ)……その後は闇! ……闇の墓場で、墓場の蔭で……あなた様のご出世見守りまする! ……お吉は死にます……ホ、本望! ……
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
忽(たちま)ち私(わたくし)の耳(みみ)にはっきりとした一(ひと)つの囁(ささや)き、『これは海神(かいじん)の怒(いか)り……今日限(きょうかぎ)り命(みこと)の生命(せいめい)を奪(と)る……。』覚(おぼ)えずはっとして現実(うつつ)にかえれば、耳(みみ)に入(い)るはただすさまじき浪(なみ)の音(おと)、風(かぜ)の叫(さけ)び——が
多分、この時の熟睡の中にも、旅中しばしば繰返されたその夢に、ついさき、見せられた故郷の山河が織り込まれて、相変らず、生と、死と、現実(うつつ)と、幻(まぼろし)との境に、引きずり廻されているに相違ない。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
歳 軋り 現実(うつつ)に入り来(また)る
独楽 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
彼女は仮死の状態から、現実(うつつ)のこの世へ立ち帰った。全身に汗が流れている。その汗を拭いて、すやすやと、彼女は今度こそ本当の快い眠りにはいって行った。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)