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白徒
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しれもの
ふりがな文庫
“
白徒
(
しれもの
)” の例文
長局
(
ながつぼね
)
を専門にかせいだ鼠小僧といったような
白徒
(
しれもの
)
があって——昨晩、この長局をおかしたとすれば、それは一枚や二枚の番附ではすむまい。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかるに彼はこの志士が血の涙の金を
私費
(
しひ
)
して
淫楽
(
いんらく
)
に
耽
(
ふけ
)
り、公道正義を
無視
(
なみ
)
して、一遊妓の
甘心
(
かんしん
)
を買う、何たる
烏滸
(
おこ
)
の
白徒
(
しれもの
)
ぞ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
今日迄度々警察を悩まして来た
白徒
(
しれもの
)
で、殊に異性の私を殺し得る機会を得ようと兼ねてから付け狙っていた恐るべき変態恋愛の半狂人である。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「なるほど、
間柄
(
まがら
)
、貴公から、雪之丞という奴、とんだばけ物と承っていたが、これは又、途方もない
白徒
(
しれもの
)
だ」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
すねた
顔色
(
つらつき
)
、ふてた
図体
(
ずうたい
)
、そして、身軽な旅人の
笠捌
(
かささば
)
きで、出女の中を
伸歩行
(
のしある
)
く、
白徒
(
しれもの
)
の不敵らしさ。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
そこで、いよいよ図にのった、この
白徒
(
しれもの
)
が、「まっぴら、ごめんくださいまし」と、
色代
(
しきだい
)
するような手つきをして、
膝行頓首
(
しっこうとんしゅ
)
、通り過ぎて行く。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
法体
(
ほったい
)
と装ひて諸国を渡り、
有徳
(
うとく
)
の家を
騙
(
たばか
)
つて金品を
掠
(
かす
)
め、児女を
誘
(
いざな
)
ひて行衛を
晦
(
くら
)
ます、不敵無頼の
白徒
(
しれもの
)
なる事、天地に照して明らかなり、汝空を
翹
(
かけ
)
り土に
潜
(
ひそ
)
むとも今は
遁
(
のが
)
るゝに道あるまじ
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その昔、この道を通った時に、不意に背後から呼び留めて、白昼、真剣の果し合いを申込んだあの
白徒
(
しれもの
)
である。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この通りふらりふらりと着流しで歩いてはとまり、とまっては歩いているのだから、兇悪なる
屋尻切
(
やじりきり
)
の目的を以て外間からこのところへ
狙
(
ねら
)
い寄った
白徒
(
しれもの
)
でないことは確かです。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
度すべからざる
白徒
(
しれもの
)
だという面をして、三公と、お盆の餅とを見比べていたが、この野郎はお先へ御免を
蒙
(
こうむ
)
ってしまって、走餅を一つ
抓
(
つま
)
んであんぐりと自分の口中へほうり込み
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
王羲之
(
おうぎし
)
の孝経を一目なりとも自分に持って来て見せると誓ったような、あの不思議な応対が、今となっては
犇々
(
ひしひし
)
と思い当る——奇怪、
不埒
(
ふらち
)
、人を食った
白徒
(
しれもの
)
——と奥歯を噛んでみたが、それにしても
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
轟の源松も立ちすくんでしまったのは、冗談ではない、送り狼の、送られ狼のと、口から出まかせに
己
(
おの
)
れの名を濫用する
白徒
(
しれもの
)
の目に物を見せようと、狼が飛び出して来た、正の狼が眼の前へ現われた!
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
徒
常用漢字
小4
部首:⼻
10画
“白”で始まる語句
白
白粉
白髪
白痴
白洲
白眼
白衣
白刃
白銀
白々