“はくち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
白痴78.9%
白雉10.5%
白地5.3%
白癡2.6%
伯知2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浦子はこどものときにひどい脳膜炎をわずらったため白痴はくちであった。十九にもなるのに六つ七つの年ごろの智恵しかなかった。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
嶋は冠位こそまだ大錦下だいきんげを拝したばかりの式務省の一吏官にすぎなかつたが、白雉はくち五年の遣唐使随員のうちに加へられ、したしくその肺に洛陽の空気を吸つて来た男である。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
斷崖絶壁の山道を往復四十里して、吉野川の下流、白地はくちの村まで下つて來ると、恍惚の景色にも大分辟易して來てゐて、乘合自動車もろとも、河の中へ眞逆さまに落ちこんでしまひたくなつてゐる。
旅人 (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)
『ではわたくしなどはいたづらくるしみ、不滿ふまんならし、人間にんげん卑劣ひれつおどろいたりばかりしてゐますから、白癡はくちだと有仰おつしやるのでせう。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
貴方あなたふヂオゲンは白癡はくちだ。』と、イワン、デミトリチは憂悶いうもんしてふた。『貴方あなたなんだつてわたくし解悟かいごだとか、なんだとかとふのです。』と、にはか怫然むきになつて立上たちあがつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
老公爵百年の後の彼女の感慨はどんなであろう。夫を芸妓に心中されてしまった彼女の母親は、新橋に吉田家という芸妓屋を出していた。そして後の夫は講談師伯知はくちである。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)