白地はくち)” の例文
長曾我部の老臣、谷忠兵衛は、その守城一ノ宮城から、ひそかに脱け出して、主君の元親の白地はくちの居城へ来て、元親に会った。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
斷崖絶壁の山道を往復四十里して、吉野川の下流、白地はくちの村まで下つて來ると、恍惚の景色にも大分辟易して來てゐて、乘合自動車もろとも、河の中へ眞逆さまに落ちこんでしまひたくなつてゐる。
旅人 (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)