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白痴
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たわけ
ふりがな文庫
“
白痴
(
たわけ
)” の例文
旧字:
白癡
「二年越行儀作法を仕込んで居るのに、まだ武家の家風を
呑込
(
のみこ
)
めぬとは、何んとした
白痴
(
たわけ
)
だ。裸体で碓氷の山の中で暮した時とは違う」
裸身の女仙
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「茸だと……これ、
白痴
(
たわけ
)
。聞くものはないが、あまり
不便
(
ふびん
)
じゃ。氏神様のお尋ねだと思え。茸が
婦人
(
おんな
)
か、おのれの目には。」
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
良人
(
つま
)
とは何んじゃ! えい、
白痴
(
たわけ
)
めが! そちにとっては市之丞がこの父よりも恋しいか! それとも父が大切か? まずそれから申して見よ!」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
又「
白痴
(
たわけ
)
た奴だ、どうもそんな事を云って
篦棒
(
べらぼう
)
め、
手前
(
てめえ
)
どう云う訳で
死人
(
しびと
)
だと云うのだ、失敬なことを云うな」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この噂を聞いて「それは嘘だ、殿様に限ってそんな
白痴
(
たわけ
)
をなさろうはずがない」といい
罵
(
ののし
)
るものもありましたが、また元の奥様を知っていた人から、すぐに
聞
(
きい
)
たッて
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
▼ もっと見る
いっそ馬鹿とか
白痴
(
たわけ
)
とか云われたのならば、清吉も左ほどには感じなかったかも知れないのですが、ふだんから自分も苦に
患
(
や
)
んでいる自分の弱味を
真正面
(
まとも
)
から突かれたので
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
なんと愛想も義理も知らな過ぎるではありませんか、銭がなければ
女房
(
かか
)
の一枚着を曲げ込んでも交際は交際で立てるが
朋友
(
ともだち
)
ずく、それもわからない
白痴
(
たわけ
)
の癖に段々親方の恩を
被
(
き
)
て
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
政吉 俺だって万更
白痴
(
たわけ
)
狂人
(
きちがい
)
じゃなし、隠れていればいいものを飛んで出て文太郎をやっ付けたのは、微塵、俺が助かりてえためじゃねえ。恩に着せる気はねえが、おなかさんお前のためだ。
中山七里 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
向う見ずの
白痴
(
たわけ
)
が。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「
白痴
(
たわけ
)
」
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
此の船中に話したがね、船頭はじめ——
白痴
(
たわけ
)
め、
婦
(
おんな
)
に誘はれて、
駈落
(
かけおち
)
の真似がしたいのか——で、船は人ぐるみ、
然
(
そ
)
うして奈落へ
逆
(
さかさま
)
に
落込
(
おちこ
)
んだんです。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「源十、左馬也、
白痴
(
たわけ
)
者めが! 大事の役目を持っていながら、前後を忘れて眠るとは、頼み甲斐のない奴ばらだな! えい、眼を
醒
(
さ
)
ませ! 醒ませというに!」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
又「馬鹿を云え、東京から他県へ
死人
(
しびと
)
を持って来るものがあるかえ、
白痴
(
たわけ
)
たことを云うなえ」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
落ちた耳を拾って居る奴があるものか、
白痴
(
たわけ
)
め、汲んで来たか、
関
(
かま
)
うことはない、一時に
手桶
(
ておけ
)
の水みんな面へ打つけろ、こんな野郎は脆く生きるものだ、それ占めた、清吉ッ、しっかりしろ
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
津々
(
しんしん
)
として玉としたたる甘露の液と思うのが、実は
膿汁
(
うみしる
)
といたした処で、病人の迷うのを、
強
(
あなが
)
ち
白痴
(
たわけ
)
とは申されん、——むむ、さようなお心持でありましたか。」
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何を
白痴
(
たわけ
)
め! 何を申すか! なんの我が父が裏切るものか! 考えの相違だ! それだけだ!」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
私の家名を汚さんよう、
衆人
(
ひと
)
に代って斬られようという其の志、実に此の上もない感服のことだ、あゝ恥入った、実に我が先祖は
白痴
(
たわけ
)
だ、斯様な事を書遺すというは、許せ/\
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その木像まで刻むと
云
(
いう
)
は恋に親切で世間に
疎
(
うと
)
い
唐土
(
もろこし
)
の天子様が
反魂香
(
はんごんこう
)
焼
(
たか
)
れた
様
(
よう
)
な
白痴
(
たわけ
)
と悪口を
叩
(
たた
)
くはおまえの為を思うから、実はお辰めに
逢
(
あ
)
わぬ昔と
諦
(
あき
)
らめて奈良へ修業に
行
(
いっ
)
て、
天晴
(
あっぱれ
)
名人となられ
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
安「なに詫を申すなら何処の者か姓名も云わず、人に物を詫びるには姓名を申せ、
白痴
(
たわけ
)
め」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
白痴
(
たわけ
)
が。今にはじめぬ事じゃが、まずこれが衣類ともせい……どこの
棒杭
(
ぼうぐい
)
がこれを着るよ。余りの事ゆえ尋ねるが、おのれとても、氏子の一人じゃ、こう訊くのも、氏神様の、」
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ば、馬鹿な事を! ワッハッハッ! それこそ凡夫の
似非仁義
(
えせじんぎ
)
、云うて行われぬ坊主談義、勇士の聴くべき話ではないわい! た、
白痴
(
たわけ
)
た事を! ワッハッハッ!」と、
暴雨
(
あらし
)
のように笑い
退
(
の
)
ける。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
殊
(
こと
)
に惣次郎には、去年の秋
聊
(
いさゝ
)
かの間違で
互
(
たがい
)
に遺恨もあり、
私
(
わし
)
も恨みに思っている、其の
敵
(
かたき
)
同士の処へ来て女房に世話をしましょうなどと、はい願いますと
誰
(
たれ
)
がいう、
白痴
(
たわけ
)
め、帰れ/\
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「恐多いが、
思召
(
おぼしめし
)
じゃとそう思え。誰が、着るよ、この
白痴
(
たわけ
)
、蜘蛛の巣を。」
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
長「いや手前を切る約束の証文ではない、
白痴
(
たわけ
)
た事を云うな、何のための受人だ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
長「なに手前が割った……左様な
白痴
(
たわけ
)
たことを云わんで控えて居れ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
八「
白痴
(
たわけ
)
め何んだって
取支
(
とりさ
)
えて詫口なんぞを利くんだよ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“白痴”の意味
《名詞》
白痴(はくち)
重度の精神薄弱。
《固有名詞》
ドストエフスキーの長編小説。
坂口安吾の短編小説。
(出典:Wiktionary)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
痴
常用漢字
中学
部首:⽧
13画
“白痴”で始まる語句
白痴者
白痴殿
白痴美
白痴脅
白痴奴
白痴児
白痴漢
白痴嚇
白痴威
白痴猿