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白帆
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しらほ
ふりがな文庫
“
白帆
(
しらほ
)” の例文
しかし、ありがたいことには、海べに立って、沖の方をながめていますと、一そうの
白帆
(
しらほ
)
の、こちらへ近づいて来るのが見えました。
アラビヤンナイト:04 四、船乗シンドバッド
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
郊外
(
かうぐわい
)
に
際涯
(
さいがい
)
もなく
植
(
うゑ
)
られた
桃
(
もゝ
)
の
花
(
はな
)
が一
杯
(
ぱい
)
に
赤
(
あか
)
くなると
其
(
そ
)
の
木陰
(
こかげ
)
の
麥
(
むぎ
)
が
青
(
あを
)
く
地
(
ち
)
を
掩
(
おほ
)
うて、
江戸川
(
えどがは
)
の
水
(
みづ
)
を
溯
(
さかのぼ
)
る
高瀬船
(
たかせぶね
)
の
白帆
(
しらほ
)
も
暖
(
あたたか
)
く
見
(
み
)
えて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
空だとばかり思っていた、上部の靄の中を、案外にもそこが海面であって、フワフワと幽霊の様な、大きな
白帆
(
しらほ
)
が滑って行ったりした。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そこに、
白鳥
(
はくてう
)
の
抜羽
(
ぬけは
)
一
枚
(
ひら
)
、
白帆
(
しらほ
)
の
船
(
ふね
)
ありとせよ。
蝸牛
(
まい/\つぶろ
)
の
角
(
つの
)
を
出
(
だ
)
して、
櫓
(
ろ
)
を
操
(
あやつ
)
るものありとせよ、
青螽
(
あをいなご
)
の
流
(
なが
)
るゝ
如
(
ごと
)
き
発動汽艇
(
はつどうきてい
)
の
泳
(
およ
)
ぐとせよ。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
朝靄
(
あさもや
)
を、
微風
(
びふう
)
が
吹
(
ふ
)
いて、さざら波のたった海面、くすんだ緑色の島々、
玩具
(
おもちゃ
)
のような
白帆
(
しらほ
)
、
伝馬船
(
てんません
)
、久し
振
(
ぶ
)
りにみる故国日本の姿は
綺麗
(
きれい
)
だった。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
▼ もっと見る
成経 十日に一度くらいは
白帆
(
しらほ
)
のかげが見られます。でもはれた日でないと雲がかかって見えません。だからしけの日はわしにとって実に不幸な日です。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
青々
(
あおあお
)
とした
海
(
うみ
)
には
白帆
(
しらほ
)
の
影
(
かげ
)
が、
白鳥
(
はくちょう
)
の
飛
(
と
)
んでいるように
見
(
み
)
えて、それはそれはいいお
天気
(
てんき
)
でありました。
海の少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その上を
白帆
(
しらほ
)
を懸けた船が
何艘
(
なんぞう
)
となく
往
(
い
)
ったり来たりした。
河岸
(
かし
)
には
柵
(
さく
)
を
結
(
い
)
った中へ
薪
(
まき
)
が一杯積んであった。柵と柵の間にある
空地
(
あきち
)
は、だらだら
下
(
さが
)
りに水際まで続いた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
天気のよい時
白帆
(
しらほ
)
や
浮雲
(
うきぐも
)
と共に望み得られる
安房上総
(
あはかづさ
)
の
山影
(
さんえい
)
とても、
最早
(
もは
)
や
今日
(
こんにち
)
の都会人には
彼
(
か
)
の
花川戸助六
(
はなかはどすけろく
)
が
台詞
(
せりふ
)
にも読込まれてゐるやうな爽快な心持を起させはしない。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
五月の潮の、ふくれきった水面は、小松の枝振りの面白い、波
除
(
よ
)
けの土手に邪魔もされず、
白帆
(
しらほ
)
をかけた
押送
(
おしおく
)
り
船
(
ぶね
)
が、すぐ眼の前を
櫓
(
ろ
)
拍子いさましく通ってゆくのが見える。
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
二人
(
ふたり
)
はしばし黙して語らず。江の島の
方
(
かた
)
より
出
(
い
)
で来たりし
白帆
(
しらほ
)
一つ、
海面
(
うなづら
)
をすべり行く。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
渤海を見て我が遊ぶよろこびに
交
(
まじ
)
らんとして洲にある
白帆
(
しらほ
)
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
この丘に桜散る
夜
(
よ
)
なり
黒玉
(
ぬばたま
)
の海に
白帆
(
しらほ
)
はなに夢むらむ
桜
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
白帆
(
しらほ
)
張
(
は
)
りゆく
霊
(
れい
)
の
舟
(
ふね
)
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
風は
白帆
(
しらほ
)
の夢をのせ
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
稲を
潜
(
くぐ
)
って隠れた水も、一面に
俤立
(
おもかげだ
)
って
紫雲英
(
げんげ
)
が咲満ちたように明るむ、と心持、天の端を、ちらちら
白帆
(
しらほ
)
も
行
(
ゆ
)
きそうだった。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
土手
(
どて
)
の
篠
(
しの
)
の
高
(
たか
)
さに
見
(
み
)
える
蜀黍
(
もろこし
)
は
南風
(
なんぷう
)
を
受
(
う
)
けて、さし
扛
(
あ
)
げた
手
(
て
)
の
如
(
ごと
)
き
形
(
かたち
)
をなしては
先
(
さき
)
から
先
(
さき
)
へと
動
(
うご
)
いて、
其
(
そ
)
の
手
(
て
)
が
溯
(
さかのぼ
)
る
白帆
(
しらほ
)
を
靜
(
しづ
)
かに
上流
(
じやうりう
)
へ
押
(
お
)
し
進
(
すゝ
)
めて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
白帆
(
しらほ
)
は、
酒
(
さけ
)
に
酔
(
よ
)
ったように、ほんのりと
色
(
いろ
)
づいて、
青
(
あお
)
い
波
(
なみ
)
の
間
(
あいだ
)
に、
見
(
み
)
えたり
消
(
き
)
えたりしていました。
女の魚売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
天気のよい時
白帆
(
しらほ
)
や
浮雲
(
うきぐも
)
と共に望み得られる
安房
(
あわ
)
上総
(
かずさ
)
の
山影
(
さんえい
)
とても、
最早
(
もは
)
や今日の都会人には
彼
(
か
)
の
花川戸助六
(
はなかわどすけろく
)
が
台詞
(
せりふ
)
にも読込まれているような爽快な心持を起させはしない。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
成経
白帆
(
しらほ
)
だ! (急に元気づく)あの
姿
(
すがた
)
がどんなに希望をわしに与えてくれることか。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
目を上ぐれば和州の山遠く夏がすみに薄れ、宇治川は麦の穂末を渡る
白帆
(
しらほ
)
にあらわれつ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
が、僕は今より十層倍も安っぽく母が僕を生んでくれた事を切望して
已
(
や
)
まないのです。
白帆
(
しらほ
)
が雲のごとく
簇
(
むらが
)
って
淡路島
(
あわじしま
)
の前を通ります。反対の側の松山の上に
人丸
(
ひとまる
)
の
社
(
やしろ
)
があるそうです。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
島
(
しま
)
かと
思
(
おも
)
ふ
白帆
(
しらほ
)
に
離
(
はな
)
れて、
山
(
やま
)
の
端
(
は
)
の
岬
(
みさき
)
の
形
(
かたち
)
、につと
出
(
で
)
た
端
(
はし
)
に、
鶴
(
つる
)
の
背
(
せ
)
に、
緑
(
みどり
)
の
被衣
(
かつぎ
)
させた
風情
(
ふぜい
)
の
松
(
まつ
)
がある。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「こんなに、よく
遠
(
とお
)
く
晴
(
は
)
れているが、おまえには
海
(
うみ
)
に
浮
(
う
)
かんでいる
白帆
(
しらほ
)
の
影
(
かげ
)
は、
見
(
み
)
えなかろう……。」と、やさしい
風
(
かぜ
)
は、やわらかに
吹
(
ふ
)
いて、
善吉
(
ぜんきち
)
のほおをなでてゆきました。
高い木と子供の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
藪越
(
やぶご
)
しに動く
白帆
(
しらほ
)
や雲の峯
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
白帆
(
しらほ
)
あちこち、
處々
(
ところ/″\
)
煙突
(
えんとつ
)
の
煙
(
けむり
)
たなびけり、
振
(
ふり
)
さけ
見
(
み
)
れば
雲
(
くも
)
もなきに、
傍
(
かたはら
)
には
大樹
(
たいじゆ
)
蒼空
(
あをぞら
)
を
蔽
(
おほ
)
ひて
物
(
もの
)
ぐらく、
呪
(
のろひ
)
の
釘
(
くぎ
)
もあるべき
幹
(
みき
)
なり。おなじ
臺
(
だい
)
に
向顱卷
(
むかうはちまき
)
したる
子守女
(
こもりをんな
)
三人
(
さんにん
)
あり。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
よくおばあさんや、おじいさんから
話
(
はなし
)
に
聞
(
き
)
いている
人買
(
ひとか
)
い
船
(
ぶね
)
に
姫
(
ひめ
)
さまがさらわれて、
白帆
(
しらほ
)
の
張
(
は
)
ってある
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
せられて、
暗
(
くら
)
い、
荒海
(
あらうみ
)
の
中
(
なか
)
を
鬼
(
おに
)
のような
船頭
(
せんどう
)
に
漕
(
こ
)
がれてゆくのでありました。
夕焼け物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
西南
(
せいなん
)
一帯の海の
潮
(
しお
)
が、浮世の波に
白帆
(
しらほ
)
を乗せて、このしばらくの間に
九十九折
(
つづらおり
)
ある山の
峡
(
かい
)
を、一ツずつ
湾
(
わん
)
にして、奥まで迎いに来ぬ内は、いつまでも村人は、むこう
向
(
むき
)
になって
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
沖
(
おき
)
の
白帆
(
しらほ
)
が
白
(
しろ
)
いか、
飛
(
と
)
んでいるかもめが
白
(
しろ
)
いか、わたしの
姿
(
すがた
)
が
白
(
しろ
)
いか。」と
お母さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其処
(
そこ
)
で、この山伝いの路は、
崕
(
がけ
)
の上を高い
堤防
(
つつみ
)
を
行
(
ゆ
)
く形、時々、島や
白帆
(
しらほ
)
の見晴しへ出ますばかり、あとは
生繁
(
おいしげ
)
って
真暗
(
まっくら
)
で、今時は、さまでにもありませぬが、草が繁りますと
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
帆
常用漢字
中学
部首:⼱
6画
“白”で始まる語句
白
白粉
白髪
白痴
白洲
白眼
白衣
白刃
白銀
白々