“俤立”の読み方と例文
読み方割合
おもかげだ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
貴婦人の背の高かったこと、蚊帳の天井から真白な顔が突抜けて出たようで——いまだに気味の悪さが俤立おもかげだってちらちらします。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
稲をくぐって隠れた水も、一面に俤立おもかげだって紫雲英げんげが咲満ちたように明るむ、と心持、天の端を、ちらちら白帆しらほきそうだった。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は凭懸よっかかるものもなく、ぼんやりやみの中に立ったがね、あの人は、と思うと、目の下に、黒髪が俤立おもかげだつ。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)