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俤立
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おもかげだ
ふりがな文庫
“
俤立
(
おもかげだ
)” の例文
貴婦人の背の高かったこと、蚊帳の天井から真白な顔が突抜けて出たようで——いまだに気味の悪さが
俤立
(
おもかげだ
)
ってちらちらします。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
稲を
潜
(
くぐ
)
って隠れた水も、一面に
俤立
(
おもかげだ
)
って
紫雲英
(
げんげ
)
が咲満ちたように明るむ、と心持、天の端を、ちらちら
白帆
(
しらほ
)
も
行
(
ゆ
)
きそうだった。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は
凭懸
(
よっかか
)
るものもなく、ぼんやり
暗
(
やみ
)
の中に立ったがね、あの人は、と思うと、目の下に、黒髪が
俤立
(
おもかげだ
)
つ。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さっくと削った
荒造
(
あらづくり
)
の仁王尊が、
引組
(
ひっく
)
む
状
(
さま
)
の
巌
(
いわ
)
続き、海を踏んで
突立
(
つッた
)
つ間に、
倒
(
さかさ
)
に生えかかった
竹藪
(
たけやぶ
)
を
一叢
(
ひとむら
)
隔てて、同じ
巌
(
いわお
)
の六枚
屏風
(
びょうぶ
)
、月には
蒼
(
あお
)
き
俤立
(
おもかげだ
)
とう——ちらほらと松も見えて
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
青
(
あを
)
いのが
葉
(
は
)
に
見
(
み
)
えて、
先刻
(
さつき
)
の
白
(
しろ
)
い
花
(
はな
)
が
俤立
(
おもかげだ
)
つ……
撫肩
(
なでがた
)
をたゆげに
落
(
おと
)
して、すらりと
長
(
なが
)
く
膝
(
ひざ
)
の
上
(
うへ
)
へ、
和々
(
やは/\
)
と
重量
(
おもみ
)
を
持
(
も
)
たして、
二
(
に
)
の
腕
(
うで
)
を
撓
(
しな
)
やかに
抱
(
だ
)
いたのが、
其
(
それ
)
が
嬰兒
(
あかんぼ
)
で、
仰向
(
あをむ
)
けに
寢
(
ね
)
た
顏
(
かほ
)
へ
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
柱の姿も蒼白く、顔の色も
俤立
(
おもかげだ
)
って
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なぜか紫の
俤立
(
おもかげだ
)
つ。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
俤
漢検1級
部首:⼈
9画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“俤”で始まる語句
俤
俤人
俤橋