“引組”の読み方と例文
読み方割合
ひっく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人は引組ひっくんだままで崖から転げ落ちると、下には幸いに熊笹が茂っていたので、身体には別に怪我けがもなかった。けれども、格闘たたかいのままにまなかった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
さっくと削った荒造あらづくりの仁王尊が、引組ひっくさまいわ続き、海を踏んで突立つッたつ間に、さかさに生えかかった竹藪たけやぶ一叢ひとむら隔てて、同じいわおの六枚屏風びょうぶ、月にはあお俤立おもかげだとう——ちらほらと松も見えて
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここたちまち掴みあいが始まった、上になり下になり、たがいに転げて挑み争ううちに、何方どっちが先に足を滑らしたか知らず、二人は固く引組ひっくんだままで、かたえの深い谷へ転げちた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)