“何艘”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なんそう66.7%
なんざう11.1%
なんぞう11.1%
なんばい11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、樗牛の思索は移っていっても、周囲の景物にはさらに変化らしい変化がない。暖かい砂の上には、やはり船が何艘なんそうも眠っている。
樗牛の事 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
若しすべての文学者ぶんがくしやかつ兵役へいえき従事じゆうじせしめば常備軍じやうびぐんにはか三倍さんばいして強兵きやうへいじつたちまがるべく、すべての文学者ぶんがくしや支払しはら原稿料げんかうれうつもれば一万とん甲鉄艦かふてつかん何艘なんざうかをつくるにあたるべく
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
その上を白帆しらほを懸けた船が何艘なんぞうとなくったり来たりした。河岸かしにはさくった中へまきが一杯積んであった。柵と柵の間にある空地あきちは、だらだらさがりに水際まで続いた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
品川の海は、いいぎだった。——それに、五月の初旬はじめ、季節もいい。遊び半分の太公望が出かけるには絶好である。鎌倉船は、初鰹はつがつおをつんで朝から何艘なんばいも日本橋の河岸かしへはいった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)