何艘なんそう)” の例文
が、樗牛の思索は移っていっても、周囲の景物にはさらに変化らしい変化がない。暖かい砂の上には、やはり船が何艘なんそうも眠っている。
樗牛の事 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかしあれを初めての黒船と思ったのは間違いでした。考えて見ると遠い昔から何艘なんそうの黒船がこの国に着いたかしれない。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
河野さんの話によると、日露戦争の当時、この附近に沈んだ船は何艘なんそうあるか分らない。日本人が好んで自分で沈めに来た船だけでもよほどの数になる。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その上河には、主のない小舟も、何艘なんそうか、かかっているのだ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
雑多な舟が何艘なんそうとなくもやってある。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は海へ張り出した葭簾張よしずばりの茶屋の手すりにいつまでも海を眺めつづけた。海は白じろとかがやいた帆かけ船を何艘なんそうも浮かべている。長い煙を空へ引いた二本マストの汽船も浮かべている。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)