“山影”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やまかげ58.3%
さんえい41.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
月光げっこうらされている、そのとお山影やまかげのぞみますと、もしゆきわたってまっすぐにいくことができたならそんなにとおくもないだろう。
白すみれとしいの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「水戸家の家臣山影やまかげ宗三郎、主命を帯びて木曽に向かう、その方万端世話するよう」こういう簡単な文面であった。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
天気のよい時白帆しらほ浮雲うきぐもと共に望み得られる安房上総あはかづさ山影さんえいとても、最早もは今日こんにちの都会人には花川戸助六はなかはどすけろく台詞せりふにも読込まれてゐるやうな爽快な心持を起させはしない。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
登りつむればここは高台の見晴らし広く大空澄み渡る日は遠方おちかた山影さんえいあざやかに、国境くにざかいを限る山脈林の上を走りて見えつ隠れつす、冬の朝、霜寒きころ、しろかねの鎖の末はかすかなる空に消えゆく雪の峰など
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)