山影やまかげ)” の例文
月光げっこうらされている、そのとお山影やまかげのぞみますと、もしゆきわたってまっすぐにいくことができたならそんなにとおくもないだろう。
白すみれとしいの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「水戸家の家臣山影やまかげ宗三郎、主命を帯びて木曽に向かう、その方万端世話するよう」こういう簡単な文面であった。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
山影やまかげながらさつ野分のわきして、芙蓉ふようむせなみ繁吹しぶきに、ちひさりんにじつ——あら、綺麗きれいだこと——それどころかい、馬鹿ばかへ——をとこむねたらひ引添ひきそひておよぐにこそ。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一人は澎湃奔放はうはいほんぱうたる濁流をのぞみ、ひとりは山影やまかげ苔清水こけしみづをなつかしむ。
こんな二人 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
山影やまかげおつる湖の
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
かれ前方ぜんぽうえるとお国境こっきょう山影やまかげなどをながめて、そのやまいただきんでいるくものあたりに空想くうそうはしらせていたのであります。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
山影やまかげ様」と小さい声だ。「人が近寄って参ります」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
幾日いくにちとなく、たびをすると、はじめて、あお山影やまかげのぞむことができたのであります。
砂漠の町とサフラン酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)