白帆はくはん)” の例文
すでに水平線上すゐへいせんじやうたかのぼつた太陽たいよう燦爛さんらんたるひかりみづおとして金波きんぱ洋々やう/\たるうみおもには白帆はくはんかげてんてんそのあひだ海鴎かいおう長閑のどかむらがんで有樣ありさまなどは自然しぜんこゝろさはやかになるほど
されどここに注意すべきことあり。広重は歌川豊広とよひろの門人にして人物画をもよくしたるにかかはらず、隅田川の風景を描くにさへひて花見の喧騒けんそうを避け、蘆荻ろてき白帆はくはんの閑寂をのみ求めたる事なり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
白帆はくはんおろし、折り疊み、黒く塗りたる船に入れ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)